4歳になる娘の言葉を増やしたい!親はどう関わったらいいですか?【言語聴覚士・奈々先生の子どものことば相談室】

4歳になる娘の言葉を増やしたい!親はどう関わったらいいですか?【言語聴覚士・奈々先生の子どものことば相談室】

「うちの子、ことばの発達がゆっくりなのでは?……」など、子育てをしていると、幼児期、学齢期と様々な段階で、ことばの発達の不安に悩まされるものです。

編集部に寄せられたお悩みに、多くの親子の「ことばを育むお手伝い」をされている、言語聴覚士の寺田奈々先生がアドバイス。

子どもの言葉を増やすために、親はどのようなかかわりをしたらいいですか?

4歳になる娘がいます。学校に入学するのに向けて言葉を増やしてあげるために、どのようにかかわればいいのでしょうか?

4歳からは「目の前にないことを伝える力」がついてくる時期

ことばを話しはじめてから数年をかけて、多くのお子さんは複数の文を繋げ、まとまった情報を伝えられるようになっていきます。

新しく覚えたことばを言うことそのものを楽しんでいた段階から、気持ちやできごとを伝えるための道具としてことばを使ったり、さらには、ことばを使って学んだり考えたりする段階へと徐々に移行していきます。

学齢期の発達につながる4〜5歳台の重要な発達として、「目の前にないことを伝える力」があります。

1〜3歳頃には、目の前にあるものごとについて、そのものの名前を言ったり、目に入るできごとを描写したりする会話が主であったと思います。

一方で、過去のエピソードや目の前にないことについてお子さんが話そうとしたときには、「(先週、遊園地に行ったことを急に思い出して)ゴーカート!」などと断片的な情報であったり、「この前ね」などの前置きが無く唐突だったり、身近な大人が一生懸命推測しないといったいなんの話かわからない…、となることも多かったのではないでしょうか。

平均的には4歳を過ぎる頃に、「今、目の前にないことを聞き手に分かるように伝える力」が少しずつ付いていきます。

その背景には、考える力、記憶やイメージを呼び起こす力の発達があります。

イメージする力は、特にごっこ遊び・空想遊びのなかで育まれます。幼児期に小学校での学習カリキュラムを先取りしてお勉強に力を入れるのではなく、その年代の子どもの世界を大切にしてもらえたらという理由は、ここにあります。

「もしも」の話をしたり、なぜ?と不思議に感じることにとことん付き合ったり、ときには絵本やアニメの主人公になりきって、たっぷりじっくりと、イメージする力を育みましょう。

ことばで説明する経験の積み重ねが大事。お子さんの話にじっくり耳を傾けてあげて

日常会話が一通りできるようになると生活のなかでは困らなくなってくるため、ことばの発達は概ね完成したと思われがちです。

ですが、ことばの発達は5歳台、6歳台、そして学齢期にもまだまだ続いていきます。

小学生になると、学校生活や教科学習で新しい語い表現がたくさん登場します。

「先取りして教えてあげたほうがいいの?」と不安に感じられる方も居るかもしれません。

ですが、4〜5歳台のお子さんらしい遊びの世界から得られることばの発達を飛び越えて、小学生で学ぶ難しい語い表現や概念の習得を急いでも、表面的な理解に留まることも多く、個人的にはあまりおすすめしません。

単純な語いの種類や数だけではなく、対話を通してイメージを膨らませる経験、そのエピソードを知らない相手にことばで説明する経験が、学習の準備になります。初めはたどたどしい説明も、繰り返し経験を積むことで徐々に上手になっていきます。

じっくりお子さんの話に耳を傾けてあげてください。

ことばの発達は個人差が大きいもの。自分らしくことばを育んで

はじめてことばをお話しする(1歳台)、語彙爆発が起こる(1歳半~2歳)、2語文をお話しする(2歳台)、3語文をお話しする(3歳台)と、3歳台頃までは、ことばの言語発達のめやす・指標が示されているのに対し、3歳台以降のことばの発達については育児書などで情報がぐっと減ると感じます。

ことばの発達は個人差が大きく、また、ことばやコミュニケーションにはさまざまな視点を折り込む必要があるので、一律の指標ではなかなか測りにくいのが実際です。

育児情報などにはさまざまなことが書かれており、なかには「大半の幼児さんにとっては難しいのでは?」と感じてしまうような高度な水準を求めているものまであります。

おしゃべり達者なお子さんもいれば、ことば足らずでたどたどしいお子さんもいます。

おしゃべりがさかんな子もいれば、口数が少ない引っ込み思案な子もいます。

どのお子さんも、それぞれの環境で自分らしく過ごし、それぞれのペースで成長の機会が得られるとよいですね。

リンク先はHugKumというサイトの記事になります。
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