Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さん発症の突発性難聴 無意識に忍び寄る耳の病の正体

Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さん発症の突発性難聴 無意識に忍び寄る耳の病の正体

今月20日、Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さんが突発性難聴になったことが公表されました。これまでも芸能人が発症しニュースになったことがある、この「突発性難聴」。実はあなたも、すでにかかっている可能性があります。

「突発性難聴」に悩まされる芸能人たち

去年、日本レコード大賞を始め様々な賞を受賞し、大晦日のNHK紅白歌合戦に初出場した3人組バンド「Mrs. GREEN APPLE」。ポップでキャッチーなサウンドは特に若者から人気が高く、2024年の活躍も期待されている中、1月20日に所属事務所から驚きの発表がありました。

Mrs. GREEN APPLE オフィシャルサイトより

「メンバーの大森元貴につきまして、昨日1月19日、左耳が聞こえづらい症状があらわれ、本日病院で医師の診察を受けた結果、突発性難聴と診断されました」

ボーカルの大森元貴さんの突発性難聴にー

今後は治療を受けながら活動を続けたいとして、現在発表されているライブ等については、現時点では実施する予定になっていて、大森さんもXにて「とりあえず、僕は元気なので大丈夫ですよ」とコメントしました。

この突発性難聴、これまでに浜崎あゆみさんやサカナクションの山口一郎さん、スガシカオさん、堂本剛さん、Hey! Say! JUMPの八乙女光さんなどが発症しています。

この記事を執筆しているRBC記者である私もこの突発性難聴になり、それ以来、聴力は回復せず、補聴器をつけての生活を余儀なくされています。

突発性難聴ってどんな病、その原因は

この突発難聴とは、ある日突然、耳が聞こえなくなる疾患のことで、多くの場合、左右どちらかの耳が聞こえにくくなります。

その原因について厚労省は『音を感じ取って脳に伝える役割の有毛細胞が、何らかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こる。 有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害や、ウイルス感染が原因であると考えられているが、まだ明らかではない』としています。

またストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいといいます。ストレス社会と言われる現代。心と身体の相関関係、メカニズムは複雑で、ストレスの行き先が「こころの病」になることがあるのは知られていますが、実は「耳」にも現れることがあるというのはあまり知られていません。

発症して、耳の聞こえが悪くなった状態がおよそ1か月で固定されてしまうケースが多い突発性難聴。厚労省は「難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早めの受診と治療開始が大切」と呼び掛けています。

「ずっと前から私の声が聞こえていない」自分で気づけない耳の異常

聞こえが悪くなるこの病気、日常の生活の中で自覚なく症状が悪化することも少なくありません。その理由として高音のみ聞こえなくなるなど、一部の音域のみ聞こえが低下するなど限定的であったり、反対の耳では問題なく音を拾えているため、違和感を感じにくかったりすることなどがあります。

実際に私自身、この突発性難聴がいつ発症したかは定かではありません。当時仕事が多忙な時期で、常にストレスを抱えている状況にありました。どうにか日々の業務をこなす中で、気づけば高音と低温の両方が聞き取りにくくなり、強い耳鳴りが常時続いている状況になっていましたが「疲れているだけ」だとあまり気にしていませんでした。

では、なぜ異常事態だと気づけたのか、それは家族からの言葉でした。

「気づいてる?前からずっと私の声が聞こえていないよ。いくら話しかけても返事がない。無視されているような感じではないけど。テレビの音量も異常なくらい大きくなっているし」

家族いわく、1年近く聞こえていない状況が続いていたといいます。思い返してみると、家庭以外でも、取材中に相手の声が聞こえにくく何度も聞き返すことや、言っていることが理解できないこともあったと気づきました。

職業柄、ボイスレコーダーやカメラで音声を収録しているので、後にそのデータを聞き直して対応していただけに過ぎなかったのだと。

「あなたの耳は以前のようには戻りません」医師からの一言
事態の深刻さを痛感した早速、耳鼻科を受診。診察が始まるまで、きちんと治療をすれば大丈夫だと思い疑っていませんでした。

しかしー

「あなたの耳は以前のようには戻りません」

医師から告げられた衝撃的な言葉でした。納得できない私に「手術をしても、薬を飲んでも治るものではない」と診断結果を言い渡したのです。

症状が出てから、あまりにも時間が経ちすぎていたことが原因でした。

そこから私が取る事ができる選択肢は▽補聴器を使用する▽ほとんど効果はないが血流がよくなる薬を飲む、の2つのみ。自分が障害を持つとは考えたこともなく、藁にもすがる思いで薬を飲むことを選択しました。

しかし医師の言う通り、全く効果はありませでした。

何か方法はあるはずだと、他の複数の病院も受診し、県外の大きな病院にもかかりましたが、診断内容は全く同じでした。家族とのやりとり、仕事への影響などこれからの生活への影響を考え、私は補聴器の購入を決めました。

あなたは小さな違和感を無視しないで

「ピー、ゴォー、キーン、ブーン、ウィンウィン」

静かな場所で聞こえる耳鳴りの音です。常時5種類の音が左耳を中心に頭に鳴り響きます。この記事を書いている今も、意識してしまうからか、より大きく聞こえる気がしています。この音は私の抱えるストレスの状態でも異なり、過度なストレスがある時には頭痛がするほど煩わしく感じます。

もう私の左耳の聴力は戻ってきません。「なんで自分が」という気持ちは消えることはありません。もっと早く病院に行っていたら、この病気の原因や対応がもっと知られていたら、そもそもストレスを抱えていなかったら…。『たられば』はいくらでも出てきます。

改めてですが、耳の疾患は非常に気づきにくいものです。あなたの耳に聞こえづらさを感じたら、それは突発性難聴の可能性があります。まだ間に合うかもしれません。多忙な日々の中、小さな違和感を過小評価せず、自身の健康や生活のため、家族のために病院に受診してほしいと思います。

リンク先はRBCというサイトの記事になります。
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