学業成績の予測因子としての雑音下音声認識

学業成績の予測因子としての雑音下音声認識

ダニ・トムリン、パトリック・バウワーズベンジャミン・ゾンカケリー・グレイドンジョセリン・フィリップスゲイリー・ランス
発行日: 2025年6月4日
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0324998


概要

背景
効果的に聞く能力は学習に大きな影響を与えます。リスニングの重要な要素である騒音下での音声理解は、周囲の聴覚的妨害や背景雑音に関わらず、音声を理解し解釈する能力です。騒音が学業成績に与える影響については多くの研究が行われていますが、騒音下における音声理解能力が、個々の学業成績や学習過程全体とどのように関連しているかに焦点を当てた研究は著しく不足しています。本研究は、リスニング能力と学業成績の関係性を探求します。

デザイン
本研究には、小学校に通う児童108名(うち3年生55名(平均年齢8歳9ヶ月)と5年生53名(平均年齢10歳7ヶ月))が参加しました。児童は、Sound ScoutsプラットフォームとNational Assessment Program - Literacy and Numeracy(NAPLAN)を用いたリスニングスキル評価を受けました。結果間の相互作用が調査されました。

結果
複合コホートにおいて、騒音下での会話能力と読解力の間に有意な相互作用が認められました。学年内での変数間の相互作用を調べたところ、小学3年生では、読解力(読解、文法・句読点、書き取り、綴り)の成績に有意な相関が見られましたが、算数能力には有意な相関は見られませんでした。小学5年生では、リスニング能力と学業成績の間に有意な相互作用は認められませんでした。

まとめ
騒音下での発話能力とリテラシー発達の関連性は、両方のスキルにおける重複するプロセスとその発達経路についての洞察を提供します。これは、学習において騒音自体が果たす役割だけでなく、教室の聴取環境を管理する能力を支えるスキルを特定することの重要性を浮き彫りにします。この研究は、早期聴力スクリーニングプログラム、指導法、そしてすべての生徒の学習環境の改善に焦点を当てた介入策に示唆を与えます。


リンク先はPLOS.oneというサイトの記事になります。(原文:英語)


 

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