聴覚神経障害スペクトラム児に対する人工内耳埋め込み:最新の系統的レビュー

聴覚神経障害スペクトラム児に対する人工内耳埋め込み:最新の系統的レビュー

要旨

背景
聴覚神経障害スペクトラム(ANSD)を管理する目的は、子供の聴覚情報を識別する能力を回復することである。

適切な聴覚リハビリテーションや音響増幅を受けても、音声理解や言語発達が十分に進まない小児は、人工内耳(CI)植え込みの候補となりうる。

ANSDの小児における人工内耳の成績に関する文献の数は増えてきているが、現在のエビデンスは主に症例報告やレトロスペクティブなカルテレビューに基づくものであり、中には限られた数の小児を対象としたものもある。

さらに、人工内耳の成績はANSD児によって異なるようである。

したがって、説得力のある証拠は不足している。

この最新の系統的レビューでは、CI後のANSD児の音声知覚、言語、音声明瞭度の結果を評価した。

方法
PubMed、Scopus、Web of Science、CENTRALの各データベースでオンライン文献検索を行った。

ANSDの小児におけるCIの結果を評価した介入研究と観察研究の両方を対象とした。

結果
33の研究がこのシステマティックレビューに含まれた。

ANSD児におけるCI後の音声知覚を評価するために、いくつかの検査が用いられた。

その結果、ANSD児の術後の平均聴覚パフォーマンススコアは4.3~7であり、この結果は0.4~2.5であった術前のスコアよりも良好であった。

同様に、乳児と幼児の意味のある聴覚統合スケール、音声的にバランスのとれた幼稚園、および多音節語彙近傍テストでも、CI後に臨床的に適切な改善が認められた。

言語と音声明瞭度についても同様の結果が報告されている。

人工内耳装用後のQOL(Quality of Life/子供の満足度)を調査した研究が1件あり、全体的に良好な満足度が示された。

結論
今回のシステマティックレビューは、人工内耳がANSD児にとって実現可能で効果的な聴覚リハビリテーション方法であることを示唆している。

リンク先はアメリカのSPRINGER LINKというサイトの記事になります。(英文)
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