調査により、多くの難聴患者がコミュニケーション支援技術を使用しない理由が明らかになった

調査により、多くの難聴患者がコミュニケーション支援技術を使用しない理由が明らかになった

アメリカ・コミュニケーション・アクセス委員会(CCAA)は、アメリカ障害者法(ADA)で義務付けられている支援機器技術を、何百万人もの難聴者が十分に利用・活用していない理由を調査した調査結果を発表した。調査中に収集されたグラフやその他の豊富な情報を含む詳細な報告書は、CCAAのウェブサイトからPDFでアクセスすることができる。

アメリカ障害者法(ADA)の成立以来、多くの公共の集会場では、補聴補助システム(ALS)の設置が義務付けられている。義務ではないが、さまざまな形の字幕が要求され、提供されることもある。何百万人もの人がこの装置を使用しているが、そうでない人もまだ何百万人もいる。

この調査は、難聴またはその他の聴覚関連疾患を持つ人を対象としたレトロスペクティブな横断調査である。1,519人の回答者は重度から高度難聴者に偏っていたため、様々なサブグループの正確な情報を得るために多くの質問がクロスタブされた。また、回答者の42%が何らかの難聴支援団体に所属していることも特徴的で、中でもアメリカ難聴協会(HLAA)がトップであった。

この調査の目的は、難聴者がコミュニケーション支援システムを利用する際の好みと使用習慣に関する信頼できる情報を得ることである。この情報により、難聴者へのサービス提供者は、さまざまな支援技術の多くの利点と、どのシステムが同世代の人々に好まれているかを顧客に知らせることができる。この調査では、聴解補助システムおよび字幕システムに関する情報と観察に加えて、難聴と機器の使用に関する多くの詳細な情報が収集された。調査のハイライトは以下の通り。
  • 難聴の程度 調査回答者の66%が高度難聴から明らかな難聴と回答。

  • 年齢と補聴器の使用年数 補聴器または人工内耳の装用年数:44%が21年以上、12%が5年以下と回答。

  • 使用している補聴器の種類 回答者の80%がOTC補聴器を装用し、2%が一般補聴器を装用していた。

  • 補聴援助機器の使用:利用可能な補聴器の種類にもよるが、重度から高度難聴者の37%から69%が、利用可能な補聴援助機器があれば必ず利用すると回答している。

  • テレコイルの認知度:全体として、回答者の52%が自分の機器にテレコイルが搭載されていることを知っていた。

  • ワイヤレス接続:83%がBluetooth®機能を搭載していると回答。

  • 補聴補助システムは見つけにくい: 26%が、聴こえに問題がありそうな人が集まる場所でイベントに参加する際、常に補聴補助システムを探している、もしくは補聴補助システムを要求していると回答している。残念ながら、「いつも」もしくは「たいてい」見つかるのは15%程度で、18%は「まったく」見つからないと回答している。
調査結果の中で多くの驚きがあったのは、参加者に重度から高度難聴者が圧倒的に多いこと、そして彼らにとってのコミュニケーション技術の重要性が、軽度の難聴者に比べて高いことであった。もうひとつは、この聴覚障害者グループが補聴補助システムよりも字幕を好んだことである。

この調査によって、難聴者にとってヒアリングループが望ましい補聴補助システムであるという事実が補強された。驚くべきことではないが、回答者の半数以上が、聴覚ケア提供者からではなく、他の場所でテレコイルのことを知った。

CCAAは、全国的に有名な難聴者の擁護者からなる特別委員会であり、コミュニケーション支援技術の使用に関する情報を収集し、共有するために集まった。委員会のメンバーには、主催者であり議長を務めるStephen O. Frazier、HearingTracker社のAbram Bailey(AuD)、Soundly社のBlake Caldwell、聴覚学者のCarol Clifford(PhD)、HearingHealthMatters.org社のKevin Liebe(AuD)、心理学者で著述家のDavid Myers(PhD)、ヒアリングループの提唱者であるJuliette Sterkens(AuD)が含まれる。

リンク先はアメリカのHearing Trackerというサイトの記事になります。(原文:英語)
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