聞こえの基礎知識【学生編】(中学生~大学生)

学校の授業やグループ活動、また普段の生活の中で、言葉の聞き取りに苦労をしていませんか?

このページは、学校や普段の生活の中での聞こえの悩みを抱える学生さん向けのページです。

「授業中、先生の話が聞き取れない」、「グループ活動などで話についていくのが難しい」、「聞こえないことへの配慮を求めるのに躊躇してしまう」など、補聴器/人工内耳を使っている学生さんが抱える学校や普段の生活の中での聞こえの悩みを解決し、少しでも楽しく充実した日々の生活を送れるよう、さまざまな情報をお届けしています。

少しお時間をいただきこのページを読んでいただくことで、みなさんが持っている疑問や不安を解消できたらとても嬉しいです。

自立とセルフアドボカシー

走るのが早い人と遅い人、計算が得意な人と苦手な人、たくさん食べられる人と少ししか食べられない人など、一人一人がその人の特徴を持っています。

聞こえにくさがあっても、それも自分の一人の人としての特徴として受け止め、自分らしく生きていきたい。そう思いつつも悩むことも多くあると思います。

自分らしく生きるためには、次の3つのことが大切になってきます。

自分らしく生きる① 自分を知る

人が成長するためには自我の発達が欠かせません。

自分を知ることで、自分固有の生き方や価値観を獲得していきます。

自我の発達には年齢に応じた過程があります。

乳児期(0~1歳半)

親や周りの大人からの愛情を受け、世話をされることで基本的な信頼感を形成する時期

幼児前期(1歳半~3歳)

遊びなどの体験から自立性や挑戦欲が発達する、また自分と違う他者の存在やその視点に気付く時期

幼児後期(3歳~5歳)

同世代の子どもとの関わりが増え、外の世界に興味を持ち、関心のあるものに対して積極性が形成される時期

学童期(5歳~12歳)

さまざまな課題に取り組むことで自分に能力があることを自覚し、自己肯定感を持ち始める時期であり、物事を達成することにより次の課題への勤勉性が育つ時期

青年期(12歳~18歳)

12歳~18歳は青年期と呼ばれ、さまざまな葛藤の中で自分の生き方を模索しはじめると共に、「自分は何者であるのか」、「自分らしさとは」、「自分は何をしたいのか」を考え、自分を受け入れる時期と言われています。

自分の聞こえに関しても受け入れることが必要となってきます。

そのためには自分の聴力レベル、聞こえにくい時はどの様な時なのか、そして自分が好むコミュニケーション手段を知ることが大切になってきます。

<聞こえのコラム①>
『一側性難聴について』

片方の耳が極端に聞こえにくい一側性難聴は1,000人に1人という比較的高い頻度で起こると言われています。

一側性難聴のある方は普段以下のようなことを感じているのではないでしょうか?

  • 難聴がある側から声をかけられると気が付かない/聞こえない
  • どこから声をかけられたかわからない
  • 騒がしい場所では話が聞き取りにくい
  • 騒音下での複数人との会話では、とても疲れる

一側性難聴のある方は、周りの人たちからの配慮や協力を得ることも大切です。

  • 聞こえる側を意識した席に座らせてもらう
  • できるだけ聞こえる側から話しかけてもらう
  • 騒音下での聞こえをサポートする補聴援助システムを活用する

自分の平均聴力は何dB HLかすぐに言えるでしょうか?

視力は1.2というように、聴力も何dB HLか言えるようにしておくとよいでしょう。

また、他の人に自分の聴力を説明する必要があるときは、自分のオージオグラムを見せられるようにしておくと正しく情報を伝えることができます。

補聴器を使っている方で、「補聴器を使っていても、学校や普段の生活で他の人たちとコミュニケーションをとるのが難しい」、「使っている補聴器の聞こえに満足できない」という方は意外と少なくはありません。

なぜでしょうか?

理由は大きく分けて3つあります。

理由その①補聴機器が聴力に合っていない

補聴器には軽度の難聴向けから重度の難聴向けなど、補聴器から出る音の大きさにより複数の種類があります。

当然軽度難聴用の補聴器では高度難聴、重度難聴には対応できません(逆も然りです)ので、使っている補聴器が聴力に合わない場合は満足した聞こえを得ることはできません。

また、聴力は年齢とともに変化していきますので、昔買った補聴器が現在の聴力に合わなくなっていることはあり得ることです。

補聴器が聴力に合っているかを確認するためには、聴力測定が必要です。

正確な測定結果を得るためにも、聴力測定は測定機器や防音設備や整った耳鼻科医院や補聴器専門店で測定することが必要です。

理由その②補聴器の調整が正しくされていない

効果測定

補聴器が適正に調整されているか確認をするには、補聴器を着けている本人による主観的評価に加え、測定機器を使った音場閾値測定(おんじょういきちそくてい)と音場語音測定(おんじょうごおんそくてい)の2つの客観的評価『効果測定』がとても重要となります。

これらの検査を行うことで、言葉を聞き分ける限界を把握したうえで、補聴器をつけたときにどれくらいの音量に設定すると一番聞こえがよくなるかを判断することができます。

理由その③補聴器/人工内耳の限界

補聴器や人工内耳には限界があることをご存じでしょうか?

補聴器/人工内耳の限界その①距離

補聴器の限界その1距離

面と向かって話している相手の声はよく聞こえても、話し相手が離れれば、離れるほど、相手の声が小さくなり聞き取りにくくなりますよね。

音は距離によって減衰するため、離れた相手の声を聞くことは補聴器/人工内耳を使っても難しくなります。

一般的に補聴器/人工内耳で十分に言葉を聞き取れる相手との距離は1.5mが限界と言われています。

補聴器/人工内耳の限界②騒音

補聴器の限界2騒音

補聴器/人工内耳はマイクロホンで相手の声を拾いますが、騒がしい場所では騒音も一緒に集音してしまいます。

騒音を抑制し言葉を聞き取りやすくする機能がついている補聴器/人工内耳もありますが、その効果は高価な器種に限られていたり、機能が付いていても騒音の大きさによっては限界があったりします。

補聴器/人工内耳をつけていても、つけていなくても騒がしい環境での言葉の聞き取りは難しいと考えてください。

補聴器/人工内耳の限界③複数人との会話

補聴器の限界3複数人との会話

複数人との会話が難しいと感じたことはありませんか?

補聴器/人工内耳にはマイクロホンに騒音が入るのを防ぎ、話し相手の声をしっかりと集音するために、指向性マイクロホンと言って話し相手の方向の音をより大きく集音する機能がついている機種が多くあります。

話し相手が複数人の場合、この指向性の機能のために顔を向けていない方向の人の声が聞き取りにくくなることがあります。

聞こえは補聴器/人工内耳をつけて改善することが一般的ですが、その人の聴力やその日の体調、また騒がしい場所での聞き取りなど、補聴/人工内耳器だけでは聞きたい声を十分に聞き取ることが難しい場合があります。

<聞こえのコラム②>
『聞こえているけど聞き取れない』

検査をすると聴力は正常なのに、日常生活のさまざまな場面で聞き取りにくさを感じることはないでしょうか?

音を収集/感知する外耳、中耳、内耳、末梢の聴神経の機能には問題は無いのですが、聴覚情報を処理する「脳」の中枢神経に何らかの問題があり難聴に似た症状がでる状態とされており、聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder=APD)、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムなどがある人たちが該当します。

音は聞こえているのに、その内容を理解できない、または、理解に時間がかかる状態で、以下のような困難を感じるのではないでしょうか

  • 騒がしい場所では話が聞き取りにくい
  • 騒音下での複数人との会話では、とても疲れる
  • 聴覚的な注意を向けることが困難
  • 聴覚的な記憶が難しく、聴覚経由での学習が難しい

この様な人たちは難聴のある人たちと同様、聞こえの配慮が必要とされています。

  • 指示を出すときは一度に多くのことを伝えず指示を単純化する
  • 口頭の指示だけでなく、視覚的な情報もえられるようプリントも用意する
  • 騒音下での聞こえをサポートする補聴援助システムを活用する

自分らしく生きる② 聞き取りにくい環境と身の回りの活用できる支援を知る

聞き取りにくい環境を知る

自分らしく生きるために、もう一つ大切なのは、どの様な環境で聞き取りにくさを感じるのかを知ることです。

例えば、

  • 離れた席の人の発言が聞き取りにくい
  • 周りが騒がしく相手の話が聞き取りにくい
  • 天井が高い部屋で声が響いて聞き取りにくい
  • グループ活動など、複数人との会話が聞き取りにくい
  • リモート授業でシステムを通した声が聞き取りにくい

聞き取りにくい理由が、話し手との距離なのか、騒音や反響音の影響なのか、また複数人との会話が難しいのかなどを把握します。

自分を知り、聞き取りにくい環境を把握したら、最後は身の回りの活用できる支援を知り、自分に必要な配慮を求めることです。

身の回りの活用できる支援

補聴援助システム

補聴器/人工内耳だけでは言葉の聞き取りが難しい時に、一緒に使用することで言葉の聞き取りを向上させるシステムです。

補聴援助システムは、補聴器/人工内耳の限界である①距離②騒音③複数人との会話を克服するために開発されたシステムで、補聴器/人工内耳だけの聞こえを大きく改善してくれます。

補聴援助システム

補聴援助システムにはさまざまなシステムがありますが、特別支援学校や公共の施設などに設置されているヒアリングループや、学校の先生が使うワイヤレスマイクロホンと補聴器/人工内耳に取り付けた受信機の組み合わせで使うFM補聴援助システム/デジタルワイヤレス補聴援助システム(フォナック社のロジャーが有名です)などがあります。

音声文字化アプリ

音声文字化アプリ

聴覚情報と合わせて視覚的に情報をとることができるとコミュニケーションが楽になります。

視覚的に情報を入手する手段としては、筆談もありますが、音声を文字化してくれる便利なアプリもあります。

特に実用的で多くの導入事例がある「UDトーク」は、学校での授業はもちろん、リモート授業のシステムを通した声が聞き取りにくいという場合にも、リアルタイムで音声を文字にして表示することができるので、聴覚と視覚の情報を同時に入手でき、聞き取りを大きくサポートしてくれます。

小学校までは担任の先生や親がさまざまなサポートをしてくれましたが、中学校からは教科ごとに先生が異なり、また、中学高校で学年が上がれば上がるほど自分のことは自分でやらなければならなくなるため、聞こえの配慮が得られにくくなると思います。

そういった状況の学生を支援する仕組みが高等教育にあります。

DO-IT Japan(Diversity, Opportunities, Internetworking and Technology Japan)

DO-IT Japan

障害や病気のある若者の高等教育への進学と、その後の就労への移行を支援することを通じて、障害のある若者の中から未来のリーダーを育成するプロジェクトです。

DO-IT Japanでは、参加者に様々な機会を提供するプログラムを、産学連携により開発・提供しています。

DO-IT Japan のHPを見る

PEPNet-Japan(日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク)

PEPNet-Japan

全国の各高等教育機関における聴覚障害学生支援体制の確立および全国的な支援ネットワークの形成に寄与するとともに、全国の聴覚障害学生を牽引する役割を担う幹事大学・機関のみならず、障害学生支援に関わる他の機関とも連携しながら、障害学生支援全体の発展を目指した活動を続けています。

PEPNet-JapanのHPを見る

AHEAD JAPAN(一般社団法人 全国高等教育障害学生支援協議会)

AHEAD JAPAN

高等教育機関における障害学生支援に関する相互の連携・協力体制を確保するとともに、実践交流を促し、障害学生支援に関する調査・研究及び研修・啓発を行って実務への還元を図り、もって大学における障害学生支援の充実並びに学術研究の発展に寄与することを目的とする事業です。

AHEAD JAPANのHPを見る

障がい学生支援室/バリアフリー支援室

障がい等の理由により修学上の支援が必要な学生のための窓口で、多くの大学に設置されています。

修学に関する相談だけでなく、学生生活についての相談や、授業等における合理的配慮に関する相談など、平等な教育を受ける機会を提供するための支援や調整を行っています。

東京大学バリアフリー支援室のHPを見る

早稲田大学 障がい学生支援室のHPを見る

佛教大学 障がい学生支援室

障害者総合支援法(国/自治体による支援)

障がいのある人や児が基本的人権のある個人としての尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を営むことができるよう、必要となる障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援やその他の支援を総合的におこなうことを定めた法律です。

障害者手帳を持つ難聴者/児も対象となり、平成22年12月から発達障害も含まれるようになりました。

障がいのある方が日常生活上において必要な移動や動作等を確保するために、身体の欠損または損なわれた身体機能を補完・代替する用具を補装具と呼び、補聴器やワイヤレスマイクが該当します。

補装具の購入や修理に要した費用(基準額)から、所得に応じた自己負担額を差し引いた額を補装具費として市町村から支給されます。

申請者は原則として補装具の購入または修理に要する必要額の1割を負担します。
(所得に応じて月額負担上限額あり)

医療費控除(国/自治体による支援)

平成30年度から補聴器購入に際し、医療費控除を受けられるようになりました。

<一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 HPより>

補聴器の装用と活用は、WHOのキャンペーンに「難聴」が取り上げられ、さらには難聴と認知症の関係のエビデンスが蓄積されつつある現在、日耳鼻として推進すべき社会貢献の中でも喫緊の課題の一つです。

超高齢社会を迎え、身体障がい者に限らず広く補聴器を活用することは重要でありますが、補聴器は高額な医療機器であり、装用者、購入者にとって大きな負担となっています。

平成30年度から、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の活用により、医療費控除を受けられることが、厚生労働省、財務省によって承認されました。

「医療費控除について」を読む

自分らしく生きる③ 自分に必要な配慮を求める

周りの人たちに聞こえの配慮を求めることは、聞こえの解決策の大きな一つです。

例えば、

  • 顔を向けて口が見えるように話してもらう
  • 口の動きが見える透明なマスクを使用してもらう
  • 後ろから声を掛けるときは肩をたたいてもらう
  • 事前に資料をもらう
  • 打ち合わせでは議事録やメモを作成してもらう
  • 聞き取りにくいことを伝えて、筆談も併用してもらう
  • ワイヤレスマイク(補聴援助システム)を使ってもらう
  • 音声文字化アプリなどの支援機器を使わせてもらう

上記は一例ですが、このような配慮をしてもらうことで、授業や大事な話を聞き漏らしたり、聞き間違えしたりすることを減らすことができます。

配慮を求めるのはちょっと...という方もいるかもしれませんが、国内外でこういった配慮を後押しする動きが2つありますのでご紹介します。

障害者差別解消法

合理的配慮

ひとつ目は障害者差別解消による合理的配慮です。

平成25年6月に制定された障害者差別解消法では、国や自治体、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止し、また障害のある人から社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること「合理的配慮」の提供が国や自治体は法的義務、民間企業・事業者は努力義務とされており、第204回通常国会において改正障害者差別解消法が成立し、公布から3年以内に民間企業・事業者も法的義務化されることになりました。

障害者総合支援法や軽度中等度難聴児支援は補聴器やワイヤレスマイクに対する支援はありますが、例えば学校でお友達の発表を聞くためのマイクロホン(マイクロホンから補聴器に音をワイヤレスで飛ばすシステムがあります)や、音声を文字化してタブレット等で情報を支援するシステムなどはその対象になりません。

障害者差別解消法の施行以来、合理的な配慮として認められ、学校や自治体が上記のマイクロホンや視覚情報支援のシステムを導入してくれる事例が出てきました。

ダイバーシティ&インクルージョン

インクルージョン

ふたつ目は、ダイバーシティ&インクルージョンです。

ダイバーシティは多様性を意味します。性別、年齢、国籍、宗教、障がいの有無にかかわらず、それぞれの個を尊重し、認め合いましょうという考えで、職場では多様な人材を組織に受け入れることを目指したり、人が本来持つそれぞれの違いを受け入れることを目指したりします。

インクルージョンは受容を意味します。組織内の多様な人材に活躍してもらうため、それぞれの違いをより活かすことを目指したり、障壁を取り除いたりする取組みを行ったりします。

ESGやSDGsなど企業の社会的責任が問われる中、人権の尊重やダイバーシティ&インクルージョンの促進は、企業が持続的に成長し続けるために不可欠な要素となってきていると言われており、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する企業が増えてきています。

ANAのD&IのHPを見る

ヤマハグループのD&IのHPを見る

あおぞら銀行のD&IのHPを見る

D&Iアワード 2021

D&Iアワード 2021

企業のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取組みを評価する日本初の認定制度で、企業が目指すべきD&Iのあり方を提案し、D&Iに取り組む企業やこれから取り組もうという企業にスポットライトを当てることで、D&I推進の裾野を広げ、ムーブメントを加速させていくことを目的に2021年度より開催されました。

D&IアワードのHPを見る

よくある質問

ロジャーはどんな補聴器でも使用できますか?

ロジャーはメーカーや型式にかかわらずほとんどの補聴器や人工内耳に使用できます。

使い始める前に設定が必要な補聴器/人工内耳もありますので、普段補聴器を調整してもらっているお店またはかかりつけの病院にご相談ください。

<参考>
『知っておきたい聞こえの豆知識』
補聴援助システム『ロジャー』とは?

補聴器と人工内耳を装用しています。ロジャーのワイヤレスマイクロホンからの音を両方に伝える事はできますか?

補聴器と人工内耳体外装置の両方にロジャー受信機を接続しているか、もしくは補聴器、人工内耳体外装置に内蔵されているTコイルを利用し、首かけ型のロジャー受信機を使用すると、ワイヤレスマイクロホンからの音を両耳で聞くことが可能です。

ロジャーの申請が通りません。どう説得すればよいでしょうか?

お使いの補聴器が重度用耳かけ型補聴器で受信機、オーディオシュー、ワイヤレスマイクを必要とする場合、補聴器と同じように「補装具申請」が可能です。

お使いの補聴器が重度用耳かけ型補聴器以外の場合は、「特例補装具申請」という申請を行います。

補装具でも特例補装具でも『真に必要な理由』が必要とされているので次のような理由を強く訴える必要があります。

・教育上必要(ロジャーがないと授業についていけない)

・グループ活動などは、通常の授業よりも騒がしいため、ロジャーはないと授業についていけない

また、耳鼻咽喉科の先生や地域の特別支援コーディネーターに相談するのもよいかと思います。

<参考>
『『知っておきたい聞こえの豆知識』』
補聴援助システム『ロジャー』の福祉申請手順は?


『お役立ち資料』
ロジャーの申請方法【中学生編】
ロジャーの申請方法【高校生編】
ロジャーの申請方法【大学生編】

学校でロジャーを使ってもらえません。どう説得すればよいでしょうか?

平成25年6月に制定された「障害者差別解消法」では、国や自治体、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止し、また障害のある人から社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること「合理的配慮」の提供が国や自治体は法的義務、民間企業・事業者は努力義務とされており、第204回通常国会において改正障害者差別解消法が成立し、公布から3年以内に民間企業・事業者も法的義務化されることになりました。

この「障害者差別解消法」のことを説明し、「合理的配慮」を求めるのがよいかと思います。

また、地域の特別支援コーディネーターや大学であれば学生支援室に相談するのもよいかと思います。

<参考>
『お役立ち資料』
中学校でロジャーを使ってもらう時の説明資料
高校でロジャーを使ってもらう時の説明資料
大学でロジャーを使ってもらう時の説明資料

ロジャーを使っています。先生の声は聞こえるのですが、クラスメイトの発表の声を聞き取ることができません。何か方法はありますか?

先生の声を聞くのにロジャーのワイヤレスマイクロホンが必要なのと同じように、離れたところにいるクラスメイトの声を聞くにはワイヤレスマイクロホンが必要です。

クラスメイトの発表の際に先生のマイクを一時的に使ってもらう、2台目のマイクロホンを用意するなどの方法が考えられます。

<参考>
『知っておきたい聞こえの豆知識』
『セルフアドボカシー』って何?

『お役立ち資料』
ロジャーマイク複数台の使い方【タッチスクリーン&パスアラウンドマイク】
ロジャーマイク複数台の使い方【オン&セレクト & ペン】

聴力検査では異常がないと言われますが、騒がしいところで相手が何を話しているのかが分かりません。ロジャーを使うと聞こえると聞いたのですが、どの様なしくみですか?

補聴器や人工内耳を使っていない方が使用できるロジャー フォーカスというロジャー受信機があります。

ロジャー フォーカスは耳に掛けて使う小型のイヤホンで、ロジャーのワイヤレスマイクロホンからの音が届く仕組みで離れたところにいる相手の話を聞いたり、騒がしい環境での言葉の聞き取りを助けてくれたりします。

<参考>
聞こえの用語集
【LiD/聞き取り困難】
【APD/聴覚情報処理障害】


『知っておきたい聞こえの豆知識』
補聴援助システム『ロジャー』とは?

聞こえについて相談する