2024/12/24

旧ソビエト連邦から1991年8月に独立したモルドバ共和国。ルーマニアとウクライナに挟まれた、九州よりやや小さい国土面積を持もつ人口約250万人の国で、肥沃な土地にぶどう畑が広がり、ワインの産地としても有名です。現在はウクライナ危機の影響で物価が高騰し、社会情勢も不安定になっています。
そんな東欧の国で生まれたバレリアさんは、2歳で聴覚障がいと診断されました。医師から人工内耳を埋うめ込む手術を提案されたとき、両親は不安したが、医学の力を信じて手術を決断。バレリアさんは聴覚を取り戻しました。ただ、音として聞える言葉の意味までは理解できなかったため、話せるようにはなりませんでした。

しかし、母のオルガさんに連れられ、日本政府の支援でユニセフが設立した「子こどものためのリハビリセンター」に通いはじめたことで、奇跡は起りました。音や光、匂や感触などの五感を効果的に刺激して感覚機能を発達させる「センサリールーム」という設備でセラピーを重ねるうち、バレリアさんは自分の声が分るようになり、次第に音として聞こえる言葉が持つ意味を理解するようになっていきました。「初めて娘が話た言葉は『ママ』でした!」とオルガさんは目を潤るませて言います。今では父を意味する「タタ」や妹との名前で言おうとするそうです。
ユニセフはこれまでに国内の八つの医療機関にセンサリールームを設置しています。障がいや発達の遅れを抱えるモルドバの子どもたちにバレリアさんが受けたような効果的てきな支援を提供することが主な目的です。これには、モルドバに逃がれてきたウクライナからの難民の子どもたちも含くまれます。この取り組みを通じてユニセフは、特別なニーズを持つ子たちを育てる約2000の家族を支援することを目指しています。<協力・日本ユニセフ協会 タイトルカット・陽魚>
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