時事通信 編集局2025年10月23日04時13分配信

デフサッカー男子日本代表の合宿で指導する斎藤登監督(左奥)=10日、東京都品川区(日本ろう者サッカー協会提供)
聴覚障害のある選手によるデフサッカー男子の日本代表を率いるのが、斎藤登氏(67)。前監督がパワーハラスメント問題で退任したのを受け、7月に急きょ就任した。11月に開催されるデフリンピック東京大会に向け、調整が佳境を迎えていた時期だった。
斎藤氏は短期間ながらもチームの完成度を高め、10月に東京都内で行われたクラブチームとのエキシビションマッチは4―2で勝利。「選手たちがしっかり意思疎通を図り、ベストなプレーを見せてくれた」と手応えを口にした。
日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿を指揮した経験を持つが、デフサッカーのチームづくりは初めて。使える手話はあいさつ程度だったという。それでも努力を惜しまず、今は練習前のミーティングで約30枚のスライド資料を準備。戦術などの意図を丁寧に説明してから、ピッチに送り出す。
チームが取り組んでいるのが対応力の強化だ。世界ランキング4位の日本は守備でコンパクトな陣形を保ち、全員が連動して相手のスペースを消すのが得意。ただ、世界1位のウクライナなどの強豪を破るには、相手の出方を見極め、柔軟に対応できるかどうかがカギを握る。
「やりたいサッカーをやるだけでは勝てない。残りの期間は、とにかく対応力を上げていく」。大舞台での采配に向け、指導にも熱がこもる。
最終更新:2025年10月23日04時14分
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