11月05日 11時58分
徳島を舞台にした小説の著者による講演が行われ、参加者たちは物語のテーマとなった聴覚障害への理解を深めました。
徳島を舞台にした小説「音のない理髪店」は、「このミステリーがすごい!」大賞の受賞者などで知られる作家、一色さゆりさんの作品です。
昭和の前期に聴覚障害がある男性が開いた理髪店が舞台で、一色さんの祖父をモデルにしています。
4日、県が主催した一色さんの講演会には、およそ160人が参加しました。
講演では一色さんが徳島市の「徳島聴覚支援学校」を訪問し、授業の内容や学校の様子を取材して物語に盛り込んだことなどを紹介しました。
そして、参加者と語る時間では、一色さんが「ろう者に対する当時の差別や偏見を書くのは前提としているが、その中でも、支えていた人やろう者の幸せを描こうとした」と述べて、作品に込めた思いを語りました。
これを受けて、両親に聴覚障害がある徳島市の美容師の女性は「大変だったが不幸ではなかった。不便、大変なのが当たり前だから、ちょっとしたことに喜びを感じることができた」と両親との思い出を話していました。
参加した80代の男性は「講演を聞いて聴覚障害への理解を深められる本だと思った。周りの友人にも勧めたい」と話していました。
また、50代の女性は「聴覚障害への偏見を持たず、それぞれの幸せを感じながら過ごしているということを意識して生活したい」と話していました。
リンク先はNHKというサイトの記事になります。
