聴覚障害ある傍聴人にパソコン文字通訳 申請者「多くの情報知れた」

聴覚障害ある傍聴人にパソコン文字通訳 申請者「多くの情報知れた」

山本逸生2024年9月30日 16時45分

 大阪高裁で30日に開かれた刑事裁判で、傍聴を希望した聴覚障害者にパソコンでやりとりを文字通訳する「パソコンテイク」が行われた。傍聴席での電子機器の利用は認められないことが多いが、今回はこの希望者が書面で申請し、飯島健太郎裁判長が認めた。

法廷でのパソコンによる文字通訳のイメージ
法廷でのパソコンによる文字通訳のイメージ

高裁がパソコン通訳を許可した経緯は? 広がる司法の合理的配慮
 ストーカー規制法違反の事件で、傍聴席の最後列に長机と3人掛けのソファが置かれ、申請者とパソコンテイクを担う自治体の福祉スタッフ2人が座った。裁判官と検察官、弁護人はマイクを使い、福祉スタッフは発言を文字にしてパソコン画面に表示させていった。

 最高裁は障害者差別解消法が施行された2016年、裁判所を訪れる障害者に「合理的配慮」をすると定めた。裁判の当事者に配慮するケースは多いが、傍聴人に対応する例はまだ珍しい。

 閉廷後、文字通訳を利用した申請者は「ノートを使った手書きでの文字通訳よりも多くの情報を知れて、とても良かった。裁判所には今後も前例にとらわれず、申請者のニーズに柔軟に対応してほしい」と取材に答えた。(山本逸生)


リンク先は朝日新聞DIGITALというサイトの記事になります。
Back to blog

Leave a comment