2025年10月31日 21:00
特集です。耳が聞こえなかったり、聞こえにくかったりする人にもくつろげる空間を作りたい、そんな動きが広がっています。
長野市では自身も聴覚に障がいがある女性が手話カフェのオープンを目指しています。
髙山音さん
「何を探しているの?」
綿貫彩さん
「はさみがあれば」
改装作業が進む長野市三輪のカフェ。
手話が飛び交います。
代表は中野市出身の綿貫彩さん、40歳。
聴覚に障がいがあり、補聴器をつけるとかすかに音を感じますが、話し声を聞き取ることは難しいと言います。
綿貫さんは、2020年から週末限定の手話カフェ「しゅわわん」を始めました。
手話で注文でき、手話でコミュニケーションが楽しめる場です。
この場所を改装して、平日も営業できる店にしようと、11月のオープンを目指して準備を進めています。
手話を通じた居場所づくりのほか聴覚に障がいがある人の事業をサポートする、活動拠点にもしたい考えです。
今回の改装では、これまであったカウンター席を無くしました。
綿貫さん
「前はカウンター、スタッフとお客さんが向きあう形だったんですけどカウンターだとお客さん同士で話すのが難しい。手話も見にくいので机で向かい合って座れるようにっていう風に考えています」
カウンター席のような横並びでは、3人以上で座ったとき手話が見えづらい状態に…。
そこで、キッチンから見えやすい位置にテーブル席を作ることで、快適にコミュニケーションがとれる空間、「デフスペース」を実現しました。
スタッフとして開店準備を手伝う長野市出身の髙山音さんも聴覚に障がいがあります。
高山音さん
「耳が聞こえないことで、コミュニケーションに壁を感じたんですけど、ここだと手話使うことができて、使うことができたりとか、理解がある人たちがいるので、働きやすいです。(綿貫さんの人柄について)一番は、かわいいです。かわいいし、優しくて、困ったことがあったら相談しやすくて、自分の頼りになる」
ハローワークでの求職の申込みに対する聴覚・言語障がい者の就職率です。
コロナ禍前後で一時落ち込みましたが、徐々に回復し、昨年度は42.7%。
綿貫さんはコロナ禍だった4年前、採用面接でこんな経験をしました。
綿貫さん
「面接の時に「今から口を隠して話すので何を言ったか答えてください」って言われることもあって、分かるわけないでしょ。そんな差別をすごい、すごい、はっきりと感じたのが仕事探しのとき」
現在、会社員として働く綿貫さん。仕事を続けながら、カフェを経営し、聴覚に障がいがある人に働く場を提供したいと考えています。
綿貫さん
「まだオープンはしてないんですけど、聞こえないスタッフを採用して働いてもらう。それで、スタッフの立場でも、どんな働き方が良いのかを模索する場所であってほしいと思うし、お客さんの立場に聞こえる。あっ、ろう者も仕事ができるんだ、って発見の場所であってほしいなと思います。
一方、こちらは…、時代を感じる木造の引き戸。善光寺近くにある築120年の建物です。この場所も手話が飛び交うある施設に生まれ変わろうとしています。
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最終更新日:2025年10月31日 22:06
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