「2025年、福島にやってくる!」知っていますか?デフリンピック【デフスポふくしま①】

「2025年、福島にやってくる!」知っていますか?デフリンピック【デフスポふくしま①】

2024年11月5日(火) 14:41
国内

テレビュー福島のニュース画面「「2025年、福島にやってくる!」知っていますか?デフリンピック【デフスポふくしま①】」

みなさんは「デフリンピック」をご存じですか?

パラリンピックと同じように、障害者スポーツの祭典で、Deaf(耳が聞こえない)+オリンピック=「耳が聞こえない、聞こえにくい人のためのオリンピック」です。

ただし、日本財団パラスポーツサポートセンターが、2021年に行った調査によると、パラリンピックの知名度が「97.9%」だったのに対し、デフリンピックは「16.3%」と、あまり知られていないのが現状です。

棒グラフ「デフリンピックの認知度」

そんなデフリンピックが始まってからちょうど100周年の来年、日本で初めてとなるデフリンピック「東京2025デフリンピック」が行われます。


「サッカーの聖地」も会場に

2025年に開かれるデフリンピック。このうち「デフサッカー」の会場は、福島県です。会場に選ばれたのは…。

末永万智アナウンサー「デフサッカーの会場となるのはここ!福島県が誇るサッカーの聖地、Jヴィレッジです!」

末永万智アナウンサー「デフサッカーの会場となるのはここ!福島県が誇るサッカーの聖地、Jヴィレッジです!」

楢葉町と広野町にまたがるJヴィレッジ。来年のデフリンピックで「デフサッカー」の選手を迎え、熱い試合の舞台となります。

健常者と同じ11人で行う「デフサッカー」。基本のルールは同じですが、選手は聴覚=耳に障害があるため、主審が笛とフラッグの両方を使い、視覚=目でわかるようにしているのが特徴です。試合では、あわせて5人のフラッグを持った審判員が、プレーの停止を様々な方向から伝えることで、「目で補う」ことができます。

主審が笛とフラッグの両方を使い、視覚=目でわかるようにしている


受け入れに向け手話の講習も

サッカーの聖地、そして復興のシンボルにもなっているJヴィレッジ。たくさんの選手が一緒に入れる食堂や、ゆったりとしたスペースの宿泊設備など、快適に過ごせる空間が整っています。宿泊する部屋から見ると、ピッチは目の前。練習や試合の会場が近いことも、利用者に人気ということです。

宿泊する部屋から見ると、ピッチは目の前

Jヴィレッジでは、受け入れ態勢を整えるため、すでにスタッフ向けの講習会が始まっています。およそ30人が参加し、聴覚障害者の現状や手話の基礎知識を学びました。


売店のスタッフ「接客なので、手話のありがとうとかすみませんとかがためになった」

Jヴィレッジ ホスピタリティ事業部・木村朋華さん「コミュニケーションをとるにあたって、普段とは違うので、難しいところも出てくると思うが、しっかりとアイコンタクトを取って、選手たちが不安にならないように一生懸命さが伝わるような対応をしたい」

Jヴィレッジでは、スタッフに自信を持っておもてなしをしてもらうため、今後もデフリンピック開催まで、手話の講習会を複数回予定しているということです。


デフリンピックを盛り上げよう

デフサッカーを含む、デフスポーツのポイントは「目で補う」ことで、陸上ではスタートがランプで光るようになっています。

デフサッカーを含む、デフスポーツのポイントは「目で補う」

そして、「手話」も大切です。Jヴィレッジのほかにも、選手の受け入れに向けた動きが始まっています。

10月6日に郡山市で開かれた研修会には、県聴覚障害者協会など4団体から94人が参加しました。講師は、デフリンピックアンバサダーの川俣郁美さん。デフスポーツの基礎知識を伝えるとともに、初めてとなる日本でのデフリンピック開催に期待を寄せました。

デフリンピックアンバサダー・川俣郁美さん「聞こえない人の得意分野は何なのか、聞こえる人の得意分野は何なのか、助け合いながら(大会を)作り上げていけると思います」

デフリンピックアンバサダー・川俣郁美さん

デフスポーツに親しみをもってもらうイベントも行われています。9月に郡山市で開かれた「ろう教育フォーラム」では、聴覚に障害のある子どもを持つ保護者や特別支援学校の教員、およそ100人が参加しました。

デフアスリート3人の講演も行われ、デフサッカーの日本代表入りを目指している福島市の西戸湖乃華(にしど・このか)選手は…。

デフサッカー 西戸湖乃華選手「耳が聞こえなくてもスポーツはできるし、障害を持っているから諦めるのではなく、周りの意見に負けず、自分のやりたいことはやっていいと伝えたい」

自分たちの経験から、前向きな思いを強く持つことなどを呼びかけました。

デフサッカー 西戸湖乃華選手

県聴覚障害者協会・吉田正勝会長「デフリンピックの認知度は低いので、もっと認知度を広めるために活動をしていきたい」

11月17日には、Jヴィレッジではデフリンピック開幕1年前イベントとして、Jヴィレッジで「デフスポふくしま」が開かれます。デフスポーツ体験や手話体験、選手によるトークイベントなどデフリンピックがより楽しくなるコンテンツが盛りだくさんです。

「デフスポふくしま」のポスター

デフリンピック100周年の節目にサッカーの聖地、Jヴィレッジで行われるデフサッカー、県民として盛り上げていきたいですね。


リンク先はテレビュー福島というサイトの記事になります。
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