【育児マンガ】夢カナエ | 介護福祉士 保育士
9/10(水) 5:55

学校のチャイムやエアコンの音――多くの人には気にならない音でも、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもにとっては強いストレスになることがあります。
これは「感覚過敏」と呼ばれる特性のひとつです。
この記事では、介護福祉士・保育士・幼稚園教諭の資格を持ち、発達障害の子を育てる母である筆者が、わが子の体験をもとに「聴覚過敏」の特徴や生活を楽にする工夫をご紹介します。
感覚過敏と感覚鈍麻とは
ASDの子どもには、音や光、温度などの感じ方に特徴がある場合があります。
- 光がまぶしすぎて目を開けられない
- 工事現場や車の音が耐えられないほど大きく聞こえる
- 冬にTシャツ1枚で過ごしたり、夏にセーターを着て汗だくになってしまう
このように「敏感すぎる(過敏)」と「感じにくい(鈍麻)」の両方が見られることもあります。本人の努力ではコントロールできないため、環境の工夫が必要です。

聴覚過敏でよくある困りごと
聴覚過敏のある子どもは、次のような場面で困りやすい傾向があります。
- 遠くの音と近くの声が同じ大きさで聞こえ、会話が聞き取りにくい
- 校内放送やチャイムで驚き、パニックになる
- 音が頭に響いて耳や頭が痛くなる
日常生活や学習に大きな影響を与えることも少なくありません。

わが子の体験と学校での配慮
筆者の子どもも幼い頃から大きな音が苦手でした。特に心配だったのは、学校のチャイム。
「大きな音でパニックにならないだろうか」
「運動会の音楽やホイッスルに耐えられるだろうか」
そんな不安がありました。
しかし、担任の先生が「もうすぐチャイムが鳴るよ」と事前に声をかけてくださったことで、子どもは心の準備ができ、落ち着いて過ごせるようになりました。
この経験をきっかけに、校内放送や運動会の音にも少しずつ慣れていきました。

聴覚過敏への工夫とサポート
感覚過敏の子どもが安心して生活するためには、次のような工夫が役立ちます。
-
ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓
周囲の雑音を軽減し、集中しやすくする。
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静かなスペースの確保
保健室や図書室など、落ち着ける場所に一時的に避難できるようにする。
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環境の調整
机や椅子の足にカバーをつけて音を抑える。エアコンや機械音が少ない席に移動する。

まとめ
ASDの子どもが持つ感覚の特性は「わがまま」ではなく「感じ方の違い」です。
学校や家庭で少しの工夫を重ねることで、子どものストレスを減らし、安心して生活できるようになります。
周囲の理解と協力が広がれば、子どもたちが本来の力を発揮できる環境を整えることができるでしょう。
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※当記事は、法に定められた介護福祉士・保育士としての専門的知見に基づき、保護者の皆さまへの情報提供を目的に執筆しています。心配が続く場合は医療機関等にご相談ください。
参考法令(抜粋) 社会福祉士及び介護福祉士法(第2条の2)介護福祉士は専門的知識をもって、身体上または精神上の障害がある方の状況に応じた介護に関する指導を行う。児童福祉法(第18条の4)保育士は専門的知識をもって、児童の保護者に対する保育に関する指導を行う。
【育児マンガ】夢カナエ
介護福祉士 保育士
専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、神経発達症(発達障害)の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。Amazon無料マンガやYouTubeでも子育てに悩む方のために役立つ情報や、発達特性のある子へのケアの工夫をわかりやすいマンガで発信しています。
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