【育児マンガ】夢カナエ
介護福祉士 保育士
8/15(金) 5:55

こんにちは。発達と育児の支援サポーター『夢カナエ』です。
私は介護福祉士・保育士・幼稚園教諭の資格を持ち、神経発達症(発達障害)の子どもを育てる親でもあります。
今日は、神経発達症のひとつである**ASD(自閉スペクトラム症)**の人が、なぜ疲れやすいのか、その理由と対策をいつものように、なるべくわかりやすい言葉とイラストでお伝えします。
ASDの主な特徴
世界的な有病率は約1〜3%とされ、年々増加傾向にあります。
大きく分けると特徴は次の2つです。
対人関係の難しさ
表情や雰囲気から相手の気持ちを読み取るのが苦手で、冗談やあいまいな表現をそのまま受け取ってしまうことがあります。

強いこだわり
趣味や得意分野に没頭する「良い意味のこだわり」とは異なり、自分自身がそのこだわりに振り回され、柔軟に対応できない場面もあります。
これらの特性が、日常での疲れやすさにつながることがあります。

疲れやすい主な理由
1. 周囲に合わせようと無理をする
空気を読むことが苦手なため、会話の裏にある感情を“感覚”ではなく“思考”で理解しようとします。
そのため、人と関わるだけでも大きなエネルギーを消耗します。

2. 感覚過敏によるストレス
ASDの人には、光・音・触感・匂いなどへの過敏さがみられることがあります。
視覚:日光や蛍光灯がまぶしく、目を開けられない
聴覚:会話やタイピング音などが気になって集中できない
触覚:服の素材やタグの刺激が不快
嗅覚:香水や柔軟剤の香りで気分が悪くなる
こうした刺激が日常的に続くと、心身の疲れが蓄積します。

3. 過集中
好きなことに取り組むと、時間を忘れて没頭してしまい、体力の限界を超えてしまうことがあります。
結果として、後で一気に疲れが出ます。

4. 睡眠の難しさ
寝ようと思っても感覚過敏で音や光が気になり、なかなか寝付けないことがあります。
また、寝る前の“ちょっとだけ”が過集中につながり、朝まで起きてしまうケースもあります。
生活リズムが乱れることで、日中の疲労感が増します。
5. 不器用さ
ボタンかけやハサミの使用、靴ひも結びなどの協調運動が苦手な人もいます。
作業に時間がかかったり、人や物とぶつかりやすかったりすることで、日常的に負担を感じます。

疲れにくくするための工夫
一人の時間を確保する
「友達は多いほうがいい」という固定観念にとらわれず、ひとりで過ごす時間を大切に。

便利グッズを活用する
ワンタッチで結べるネクタイや靴ひも不要のスリッポンなどで手先の負担を減らす。

安眠環境を整える
寝る前に温かい飲み物を飲む、足湯をする、耳栓やアイマスクを使うなど、自分に合う入眠方法を見つける。

まとめ
ASDの特性を理解し、環境や習慣を工夫することで、疲れを減らすことができます。
同じ出来事でも、それをストレスと感じるかどうかは人によって異なります。
今日ご紹介した方法が、無理のない生活の参考になればうれしいです。
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※当記事は、法に定められた介護福祉士・保育士としての専門的知見に基づく情報提供を目的に執筆しています。心配が続く場合は医療機関等にご相談ください。
参考法令(抜粋) 社会福祉士及び介護福祉士法(第2条の2)介護福祉士は専門的知識をもって、身体上または精神上の障害がある方の状況に応じた介護に関する指導を行う。児童福祉法(第18条の4)保育士は専門的知識をもって保育に関する指導を行う。
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