【育児マンガ】夢カナエ】
保育士 介護福祉士
8/4(月) 5:55

こんにちは。発達と育児のお悩みサポーター「夢カナエ」です。
私は保育士・幼稚園教諭・介護福祉士の資格を持ち、神経発達症(発達障害)の子どもを育てる母でもあります。
保育園や幼稚園などの集団生活では、「集団行動が苦手」と感じる子どもに出会うことがあります。
たとえば、みんなで遊んでいる最中に一人だけ教室に戻ろうとしたり、登園そのものを嫌がったり──。
周囲の子が楽しそうに活動しているのに、なぜ?と戸惑う大人も多いのではないでしょうか。
今回は「発達障害のある子が集団行動を苦手とする理由」について、イラストとともに3つのポイントから解説します。
①じっとしていられない──ADHDの「多動性・衝動性」
注意欠如・多動症(ADHD)には、「落ち着きがない」「気が散りやすい」といった特性があります。
中でも特徴的なのが、突然思いついた行動を止められない「衝動性」。
何か気になるものを見つけると、周囲の状況に関係なく一直線に向かってしまうことがあります。
頭では「今はやめたほうがいい」と分かっていても、自分でブレーキをかけるのが難しいのです。
このため、「みんなと同じ行動を続ける」ことが求められる場面は大きな負担になりやすいのです。

②イレギュラーが苦手──ASDの「こだわりの強さ」
自閉スペクトラム症(ASD)には、「見通しが立たないことに不安を感じやすい」「急な変化が苦手」という特性があります。
たとえば、日々決まったルーティンで生活していると安心できる一方で、
「運動会のリハーサル」や「お遊戯会の練習」などの不定期イベントが入ると、
何をどうすればいいのか分からず混乱してしまうことがあります。
その結果、練習を途中で抜けて教室に戻ってしまったり、慣れた遊びに逃げ込む姿が見られることもあります。
③音への敏感さ──「聴覚過敏」の影響
発達障害の子どもに多く見られる感覚の特性として、「聴覚過敏」があります。
これは、他の人にとっては気にならない音が強い不快感やストレスとなってしまう状態です。
集団のざわめきやマイク音、椅子を引きずる音などが耐えがたく、
本人にとっては「耳をふさぐ」「その場から離れる」などの行動が自己防衛の手段になっていることも。
最近では、イヤーマフや遮音性の高いノイズキャンセリングヘッドフォンなどで音の刺激を軽減する支援グッズの活用も進んでいます。

「わがまま」ではなく「困っている」だけかもしれない
集団行動が難しい子どもたちの背景には、「性格」や「甘え」ではなく、
発達特性に由来する困りごとがある場合が多くあります。
・動きたくなって止まれない
・急な予定変更に混乱してしまう
・音がつらくてその場にいられない
周りの人は、このような子どもたちの姿を見たときに、即座に拒否反応を示しがちです。
しかし、「なぜ、そうしたのか?」という、行動の裏側を考えて寄り添うことで、集団になじめない子どもたちも、少しずつ安心していられる時間が増えていくかもしれません。
一人ひとりの特性を理解した関わりが、「参加したい」という気持ちを育む第一歩になるでしょう。
【育児マンガ】夢カナエ
保育士 介護福祉士
専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、神経発達症の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。Amazon無料マンガやYouTubeでも子育てに悩む方のために役立つ情報や、専門性のあるケアの工夫をわかりやすいマンガで発信しています。
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