加齢性難聴への遺伝的・環境的寄与:双生児縦断研究の結果

加齢性難聴への遺伝的・環境的寄与:双生児縦断研究の結果

2025年4月23日にオンラインで初公開
ライアン・M・ オリアリー、アーサー・ ウィングフィールド、ウィリアム・S・クレメン
https://doi.org/10.1177/23312165251320156

概要

世界中で4億3000万人以上が、加齢とともに増える障害となる難聴を経験しています。難聴の遺伝的要素は十分に確立されているものの、遺伝的要因が時間の経過とともに難聴に及ぼす変化については、利用可能なデータがあまりありませんでした。

私たちは、米国のベトナム戦争時の双子の老化研究(VETSA)から抽出した一卵性双生児(MZ)と二卵性双生児(DZ)の男性双生児1000体以上について、500、1,000、2,000、4,000、8,000 Hzの純音聴力閾値を報告します。

双生児は3つの波にわたって検査を受け、波1では平均年齢56歳、波2では平均年齢62歳、波3では平均年齢68歳でした。遺伝学的情報に基づく構造方程式モデルを使用して、遺伝的要因の算出を行いました。遺伝的要因は、全周波数における聴力の変動の49.4%から67.7%を、3時点全てにおいて説明しました。遺伝的要因と環境的要因の比率は、3時点全体、あるいは個々の音響周波数において大きな変化はありませんでした。聴力の経時的な安定性は、遺伝的要因に中程度から高度に起因するものでした。聴力の変化は、個人に固有の環境要因によってより適切に説明されました。

これまでで最大規模の双生児を対象とした聴力研究から得られたこれらの結果は、高齢期の聴力が遺伝的要因によって大きく左右されるという過去の知見を再現するものです。本分析の独自の貢献は、遺伝的要因に起因する聴力の割合が12年間を通して比較的一定していることです。


リンク先はSageJournalsというサイトの記事になります。(原文:英語)


 

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