2026年8月21日

前回は、「聞こえない人は、無音の世界にいる」という思い込みについてお話ししました。
今回は、2つ目の誤解についてです。
年齢を重ねる中で聞こえにくさを感じ始めると、多くの方がまずこう考えます。
「まあ、年のせいだから仕方ない」
この「年のせい」という一言は、とても便利です。
そう思えばなんとなく納得できてしまいます。
でも、この便利な一言が、実は大切なことを見えなくしてしまう場合があるのも事実です。
加齢は「理由のひとつ」。でも、すべてではない
確かに、歳を重ねると少しずつ聞こえは変化していきます。特に高い音から聞き取りにくくなっていくのは、多くの人に共通して起こる自然な変化です。加齢が聞こえにくさの大きな原因であることは間違いありません。
けれど、聞こえにくさの原因は加齢だけではありません。
- 大きな音を長年聞き続けたことによる影響
- 耳の中の炎症や病気
- 生活習慣に関わるもの
原因の中には、治療ができるものや、進行を緩やかにできるものもあります。そして、原因によって対処法はまったく変わってきます。
だからこそ「年のせい」と決めつけてしまうと、本当は対処できたかもしれない変化を見逃してしまう可能性があります。年齢という理由だけで片づけてしまうには、聞こえの仕組みは少し複雑なのです。
「様子を見る」うちに、進行してしまうことも
もうひとつ、心に留めておいてほしいことがあります。
「年のせいだから」と放置して様子を見ているうちに、聞こえにくさが少しずつ進行してしまうリスクです。
多くの場合、聞こえの変化は非常にゆっくり進み、自分ではなかなか気づけません。そのため、自覚したときにはかなり進行しているというケースも珍しくないのです。
決して不安を煽りたいわけではありません。ただ、「年のせい」という一言で状態を確かめる機会を先延ばしにしてしまうのは、少しもったいないと感じます。
だからこそ、まずは「原因」を確かめてみる
もし聞こえにくさを感じているなら、ご自身で結論を出す前に、一度耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてみることをおすすめします。
「なぜ聞こえにくいのか」という原因を正確に知ること。
それが、ご自身に合った適切な対処を選ぶための出発点になります。
原因が分かれば、必要以上に身構えることもなくなります。
年齢は聞こえにくさの背景にある要素のひとつではあっても、すべての答えではありません。
まずは確かめてみる。そこから始めてみてはいかがでしょうか。
