コロナ禍でつかめなかったデフリンピック「金」、東京大会でこそ…世界陸上との「ダブル出場」目指す

コロナ禍でつかめなかったデフリンピック「金」、東京大会でこそ…世界陸上との「ダブル出場」目指す

2025/03/07 21:04
#デフリンピック

 11月のデフリンピック東京大会(読売新聞社協賛)で金メダルを狙う選手の中に、9月の陸上世界選手権東京大会出場も目指す日本陸上界トップクラスの実力者がいる。円盤投げの湯上剛輝(31)(トヨタ自動車)で、東京大会「ダブル出場」の決意を胸に勝負の年に挑んでいる。

練習に励む湯上剛輝

練習に励む湯上剛輝


 2017年のデフリンピックトルコ大会で銀メダルを獲得。翌18年の健常の日本選手権では62メートル16の日本新(当時)をマークし、優勝。円盤投げのホープとして脚光を浴びた。しかし、そこから記録が伸びない。新型コロナで練習が思うようにできない環境になったことも追い打ちをかけた。22年のデフリンピックブラジル大会ではコロナ禍で日本選手団が大会途中で出場を辞退。湯上は長時間かけて現地入りしながら出場できなかった。「トルコでは銀だったので次は絶対に金メダルを取るという気持ちが強かった。目の前が真っ白になった」

 それでも豪州人コーチに師事し、一から技術を作り替えてきた成果が、昨季ようやく実った。スウェーデンの大会で6年ぶりに60メートルの大台に乗せ、「もっと良くなる」と手応えをつかんで今季に臨む。「聴覚障害の子供たちに夢と希望、勇気と感動を与えられる選手になるという目的を持ってこの競技を続けてきた。東京大会はそれを達成するための機会になる」。世界選手権の代表を勝ち取ること、そしてデフリンピックでの優勝。二つの夢を乗せ、円盤を投げ続けている。(荒井秀一)


湯上剛輝(ゆがみ・まさてる)

 滋賀県出身。生まれつき両耳が聞こえにくい。小学6年から人工内耳を使う。滋賀・守山高から中京大に進み、トヨタ自動車へ。高校から円盤投げを始め、2018年の日本選手権で初優勝。24年は58メートル51で2位。身長1メートル83、体重108キロ。


リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。


 

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