【介護マンガ】夢はるか
介護福祉士・漫画家
8/1(金) 5:05

こんにちは。認知症介護のお悩みサポーター、介護福祉士「夢はるか」です。
近年、若い世代のテレビ離れが話題になっています。「スマホは毎日見るけど、テレビは見ない日が多い」という人が増えているようです。しかし高齢者に限っては、「テレビを見ない日はない」という人が多いのではないでしょうか。
そんなテレビが、実は認知症の早期サインに気づくヒントになることがあります。今回は、私が介護の現場で実際に見た「テレビの見方の変化から気づいた認知症の兆し」について、代表的な3つの例をイラストとともにご紹介します。
1. 好きだった番組に興味がなくなる
認知症の初期症状には、無関心や無気力といった「意欲の低下」がよく見られます。
たとえば、
- 毎週楽しみにしていた料理番組を見なくなった
- 趣味だった園芸番組を突然見なくなった
このような変化が見られた場合、「関心を持つ力」が落ちてきている可能性があります。また、番組の内容が理解できなくなっているケースもあり、認知機能の低下も疑われます。

もちろん、加齢による視力や聴力の低下が原因の場合もあります。その場合は眼鏡や補聴器の見直しで改善する可能性がありますので、まずは身体的な要因も確認してみましょう。
2. ドラマやクイズ番組を見なくなった
認知症の初期症状として、記憶障害がよく見られます。
- 連続ドラマの前回の内容を思い出せない
- 推理ドラマで前半の伏線がつながらず楽しめない
- クイズ番組で問題が頭に入らず、答えも考えられない
こうした状態になると、これまで楽しかったはずの番組が「理解できずに退屈なもの」へと変わってしまい、テレビを見なくなることがあります。

かつてドラマやクイズ番組が好きだった方が、急に関心を示さなくなったときは、記憶力の変化を疑ってみてください。
3. ただ同じチャンネルをぼんやり見続ける
以前はリモコンでチャンネルを変えながら楽しんでいたのに、最近はずっと同じチャンネルを見ている…。こんな変化も要注意です。

もしかすると内容を理解しておらず、ただ映像の動きをぼんやりと見ているだけかもしれません。中には、
食事やトイレの時間以外、ずっとテレビの前に座っている
家事よりテレビが優先になっている
といった変化が見られることもあります。これは日常生活の自立度が下がっているサインであり、進行した認知症の可能性も否定できません。
認知症のサインは、日常の「違和感」から
テレビの見方は、その人の「心の動き」が表れる部分でもあります。
「なんとなく前と違うな」と感じたら、その違和感を大切にして、早めに医療機関や専門職に相談してみてください。早期対応が、認知症とうまく付き合うための第一歩になります。
まとめ:情報に流されず、自分の頭で考える習慣を
現代はテレビだけでなく、ネットの情報もあふれています。自分の頭で考えて情報を受け取る力がますます大切になってきました。
認知症になっても判断力が保たれている人も多くいます。年を重ねても、自分で考え、楽しみを見つけられるよう、今のうちから習慣づけていくことが大切です。
私自身も「高齢者予備軍」として、テレビやネット以外にも心を働かせる時間を持ちながら、これからの老後を準備していきたいと思っています。
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参考書籍
【マンガで解説】認知症の人の気持ちと接し方がわかる本
著:夢はるか 監修:小坂直樹(大和出版)
【介護マンガ】夢はるか
介護福祉士・漫画家
著書:【マンガで解説】認知症の人の気持ちと接し方がわかる本(大和出版)好評発売中。通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で15年以上働く介護福祉士。マンガやイラストで認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えます。
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