マウスで遺伝性難聴の遺伝子修復に成功、順大・東大チーム…聴力改善の治療法開発に期待

マウスで遺伝性難聴の遺伝子修復に成功、順大・東大チーム…聴力改善の治療法開発に期待

2025/03/11 02:00

 遺伝性難聴の原因として世界で最も多いタイプの遺伝子の異常をマウスで修復することに成功したと、順天堂大と東京大の研究チームが発表した。将来、聴力を改善させる治療法の開発につながる可能性がある。論文が11日、国際医学誌に掲載される。

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 遺伝性難聴患者の約半数には「GJB2」という遺伝子に変異があり、音を感知する内耳の細胞同士をつなぐネットワーク構造がうまく機能せず、聞こえが悪くなる。チームによると、日本人でこのタイプの難聴患者は約3万人に上る。内耳のネットワーク構造を回復させる治療法はない。

 チームは、狙った遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集技術」を使い、毒性のないウイルスで内耳細胞の遺伝子を書き換える技術を開発した。このウイルスをGJB2に変異があるマウスの内耳に注入した結果、内耳細胞の遺伝子が正常に書き換えられ、ネットワーク構造が回復したという。

 チームは、GJB2に変異がある人の細胞でも同様の効果を確認している。今後は臨床に応用する手法の研究を進め、5~6年後の治験開始をめざす。チームの神谷 和作かずさく ・順天堂大准教授(細胞工学)は「実用化すれば難聴の治療技術が飛躍的に発展する」と話している。

 信州大の宇佐美真一名誉教授(耳鼻咽喉科学)の話「難聴は、遺伝子が原因とわかれば治せる時代が近づいている。画期的な研究成果で、臨床応用に向けた第一歩となるだろう」


リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。


 

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