「何度も書いて覚える」は万人に正解じゃない。京大首席のかるた名人が教える、《認知特性×AI》の超ロジカルな最新勉強法

「何度も書いて覚える」は万人に正解じゃない。京大首席のかるた名人が教える、《認知特性×AI》の超ロジカルな最新勉強法

西岡 壱誠 : ドラゴン桜2編集担当
2026/02/17 10:00

漫画『ドラゴン桜』 (漫画:©︎三田紀房/コルク)

(漫画:©︎三田紀房/コルク)


「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があると考える人が多いのではないでしょうか。その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当も務めた西岡氏が、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。

連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、3万部超のベストセラーとなっています。連載第223回は、自分に合った勉強法についてお話しします。

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“見て”覚えるか、“聞いて”覚えるか

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なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること
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みなさんは、勉強法が自分に合っていないと考えることはありますか? 例えば何かを覚えるときに、「何度も書いているはずなのに覚えられない」という人もいるでしょうし、逆に「書かないと覚えられない」という人もいると思います。

ネット全盛の今、勉強法に関連するネット記事はたくさんあるものの、それが自分に合っているかどうかを理解するのは難しいですよね。

今回は、『わたしにぴったりの勉強法を教えてください!』という本を上梓した粂原圭太郎さんに話を聞きました。粂原圭太郎さんは、認知特性という特性を研究し教育実践を行っている方であり、競技かるた第65~67期名人でもあります。

今回はそんな粂原さんに、「自分に合った勉強法」について考える際にプラスとなる認知特性についてお話を伺いました。

――よろしくお願いします。早速ですが、勉強法を考える際に重要な「認知特性」とは何か、教えてください。

粂原「はい。認知特性とは、簡単に言うと『人が情報をどう受け取り、処理するか』という個人差のことです。私たちは情報を覚えるとき、それぞれ異なる方法を無意識に使っています。大きく分けると、視覚・言語・聴覚の3つのタイプがあります」


――具体的にはどういう違いがあるんですか?

粂原「例えば織田信長を覚えるとします。その中で、視覚タイプ・つまり視覚優位の人は、織田信長の肖像画や図を見て、ビジュアルイメージで覚えるのが得意です。

それに対して、言語優位の人は『織田信長』という文字列や、彼のエピソードを文章で理解するほうが記憶に残りやすいです。

さらに、聴覚優位の人は名前を声に出したり、物語を聞いたりすることで覚えやすくなります。『おだのぶなが』という音の響きでなんとなく覚えてしまうわけです」


聴覚優位の人は数学が苦手?


――なるほど。聴覚優位の人は数学みたいな音読しにくい科目は苦手、ということもあるのでしょうか?

粂原「それは大きな誤解なんです。認知特性はあくまで『情報の受け取り方の得意パターン』であって、『特定の科目ができない』ということではありません。例えば聴覚優位の人だと、数学の参考書の解法を音読して、「ルートエックスかける12マイナス……」みたいに声に出すことで理解しやすい、なんてパターンもあります。理解の深め方は人それぞれでしかなく、その理解をどう積み上げていくのかということなんです」


――ということは、どんな認知特性でも工夫次第でどの科目も伸ばせるのでしょうか。

粂原「そのとおりです。言語優位の人なら、数学の問題を『この問題は何を求めているのか』と言葉で説明してみる。視覚優位の人なら、公式を図式化したり色分けしたりする。自分の強みを生かすアプローチを取れば、どの教科でも成績は上がりやすくなります」


――なるほど。では、自分の認知特性を知るにはどうすればいいですか?

粂原「認知特性に関するテストもありますが、一番は普段の学習を振り返ってみたり、何が一番頭の中で入りやすいのかを思い出してみるのがいいでしょう。例えば『stand』という英単語を見た時に、脳の中に何が思い浮かぶかを考えてみましょう。standの発音が再生されたという人は聴覚優位で、『stand=立つ』というような文字情報が思い浮かんだ人は言語優位、参考書のページでstandが書いてあったページが思い浮かんだり、絵的に誰かが立っているイメージが思い浮かんだ人は視覚優位、みたいなことですね」


――この認知特性の生かし方って、具体的にはどんなものがあるんでしょう?

粂原「今、一番おすすめしているのが生成AIとの向き合い方なんです。実は生成AIって、それぞれの認知特性に合わせた使い方ができるんですよ。例えばNotebookLMを使えば、教材を音声化してくれるので聴覚優位の人に最適です。Gensparkならビジュアルイメージを生成できるので視覚優位の人向け。ChatGPTは文章での要約が得意なので言語優位の人が使いやすい」


――なるほど! それぞれのAIに得意分野があるんですね。

粂原「そうなんです。特に聴覚優位の学生で面白い事例があって、要約した文章をAIに音声で読み上げてもらって、それを聞きながら覚えるという方法で、かなり勉強が効率化したという報告がありました。通学時間やジョギング中にイヤホンで聞くだけで復習ができるんです」


認知特性を知り、テクノロジーを味方につける


粂原さんに話を聞いて思ったのは、認知特性を知りつつも、テクノロジーを味方につけるということの大事さです。漫画『ドラゴン桜』でも、「テクノロジーを使うことの大事さ」について触れられているシーンがあります。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

漫画『ドラゴン桜』 (漫画:©︎三田紀房/コルク)
漫画『ドラゴン桜』 (漫画:©︎三田紀房/コルク)
漫画『ドラゴン桜』 (漫画:©︎三田紀房/コルク)


学習効率を飛躍的に向上させる方法

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従来の勉強法では、視覚優位の人は自分で図を描き、聴覚優位の人は自分で音読するしかありませんでした。しかし今は、生成AIという強力なパートナーがいます。

NotebookLMが音声を生成し、Gensparkがビジュアルを作り、ChatGPTが要約してくれる。自分の認知特性に合わせて最適なツールを選べば、学習効率は飛躍的に向上します。

大切なのは「自分を知ること」と「テクノロジーを使いこなすこと」。この2つの掛け算が、これからの時代の学びを変えていくのだと感じました。


リンク先は東洋経済オンラインというサイトの記事になります。

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