呼出ベルが聞こえない私、カフェ店員の気遣いが心にしみた「優しい世界」と称賛の声【マンガ】

呼出ベルが聞こえない私、カフェ店員の気遣いが心にしみた「優しい世界」と称賛の声【マンガ】

聴覚障がいを抱えている漫画の作者、うさささん。

カフェや飲食店で「呼び出しベル」が振動するかをいつものように店員さんに確認していたうさささんは、ある優しい“気遣い”に出会いました。

フードコートなどで受け取る「呼び出しベル」。

それには光や音、振動で伝えるタイプのものがある。

でも、もし耳が聞こえない人が、振動しない音が鳴る呼び出しベルを受け取ったら…。

聴覚障がいを抱えている方が描いた、自身の体験漫画が話題になっています。

作者は、Xやブログで育児や耳がきこえないことで起こったこと・体験したことを漫画やエッセーにして表現している、うさささん(@usasa21)。

飲食店やカフェで「呼び出しベル」が振動するかをいつものように店員さんに確認していたうさささんは、ある優しい“気遣い”に出会いました。

SNSで多くの人が「優しい世界」とコメントした作者の体験とはーー。

「それは振動しますか?」

とある飲食店で呼び出しベルが振動するかを確認したうさささん。

しかし、そのお店にあるのは音が鳴るタイプで振動はしないものでした。

その経験から呼び出しベルを受け取ったら必ず聞くことにしました。

そう決めたうさささんでしたが、2つの温かい出来事に出会います。

あるカフェに行った時「それは振動しますか?」といつものように尋ねました。

店員さんは頷き、うさささんは安心しました。

すると…

店員さんは実際に振動するかを目の前で試しました。

それをうさささんの手に当てて確認してくれました。

『振動するかどうか確認させてくれた!』

飲食店に行った時も、同じように振動するか確認しようとしていたうさささん。

店員さんは呼び出しベルを手に取ると、何かに気づいた様子で、お店の他の人に話しかけていました。

他の店員さんがボタンを押し、2人で振動するか確認している姿が…

『この店員さん、私が聞く前に自分で気づいて振動の有無を確認してくれた!?』

振動しない呼び出しベルに遭遇してから、振動するのかどうか「大丈夫かな」と少し不安を感じながら呼び出しを待っていたうさささん。

丁寧な確認で安心に安心を重ねてくれたカフェの店員さん、こちらから伝えなくても自ら確認をしてくれた飲食店…

店員さんの気遣いに、うさささんは安心した気持ちで呼び出しを待つことができました。

ハフポスト日本版はうさささんに取材しました。

一問一答は以下の通りです。

「自分には不要でも、必要な人がいる」

ーーなぜ、このエピソードを漫画にしようと思ったのでしょうか?

振動する呼出しベルを扱っているお店だと分かっているのなら良いのですが、初めてのお店だったり初めて見る呼出しベルだったりすると「振動するのかな?」という不安がよぎってしまうんですね。この時の二人の店員さんのお店はどちらも初めてでした。店内が混雑していたので「振動しますよ」返答だけで充分だったのですが、安心に安心を重ねたりしっかり確認をしたり…そんな対応をとってくれた二人の店員さんの気遣いがとてもやさしく感じられ、漫画にしようと思いました。

ーー呼出しベルが「振動しない」と伝えられた際にどのような方法を取られましたか?

私が振動式でないものに遭遇したのはこの時の1回きりなのでなんともいえないのですが、仮に振動式ではないものに遭遇した場合、店員さんと目が合うよう近くで待つ対処を取ると思います。

ーー呼び出しベルは注文してから渡されると思います。注文して呼び出しベルが渡される際に、振動するかどうかを確認せざるを得ないこともあると思いますが、そのことをどう感じていますか?また、聴覚障がいを抱えている方が安心してお店選びや食事ができるように、もっとこうだったらいいな、などはありますか?

いただいたコメントの中には振動するタイプに遭遇したことがないという衝撃的なものがありました。お店に置いてある呼出しベルが振動するのかそうでないのかまずご確認いただけると助かります。もし、振動しない場合、聴覚障害者が来店した時の対応をどうするのか一回話し合ってもらえたら嬉しいなと思っています。

ーー漫画の中で、店員さんが丁寧に対応し、呼出しベルの確認していることがすごく伝わってきました。このような対応は珍しいのでしょうか?この対応はうささ様が普段感じている不安や負担をどれほど軽くしてくれるのでしょうか。

「これは振動しますか?」の問いにほとんどの店員さんが頷いたり、「振動しますよ」と答えてくださったり、手でOKのジェスチャーを作ってくださる方もいます。店内が混雑しているので、この答え方だけで充分でした。ただ、私には以前、呼出しベルの光も振動もせず気づいたら背後に店員さんが立っていた、ということがあったため(この時の真相は分からないままなのですが、呼出しベルの電池が切れていたのかもしれません)振動したら「あぁ、良かった」とホッとしながら受け取りに向かっていました。なので、二人の店員さんの丁寧な対応のおかげで、私は安心しながら振動を待つことができました。

ーーTwitter上で大きな反響を呼んでいますが、どう受け止めていますか?読者に伝えたいメッセージがあればお願いします。

呼出しベルの振動が苦手だけれど聴覚障害者にとっては振動が必要なんだ、と気づきに繋がった方がとても多くいらっしゃり嬉しく思いました。自分には不要でも、必要な人がいると知るとそのモノの見え方が変わりますしね^^また、医療機関で働いている方からコメントがあったのですが「今までは直接呼びに行っていたけれど、振動式の呼出しベルを使えないかどうか上司に打診します!」と行動に移してくださったようです。“やさしい”が次に繋がり、発信して良かったと思いました。

この漫画には「優しい世界」「世の全てがこんな風にまあるくなって欲しい」「呼び出しベル苦手なのですが振動が大切な方もいるのですね」「店員さん、『相手の目線に立つ』接客の鏡」など数多くコメントが寄せられています。

うさささんの体験は、エッセイ本『耳がきこえないママときこえるムスメのおはなし。』にまとめられています。

リンク先はHUFFPOSTいうサイトの記事になります。

原文とマンガはこちら↓↓↓
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