子どもの発音が気になったら? 言語聴覚士に聞く「構音障害」相談のタイミングとポイント

子どもの発音が気になったら? 言語聴覚士に聞く「構音障害」相談のタイミングとポイント

誤った発音が固定化する「構音障害」

――子どもの発音が不明瞭な時、どのような場合に「構音障害」と指摘されるのでしょうか。

誤った発音の仕方が固定化されたり、習慣化されたりした状態を「構音障害」と言います。

もともと小さな子どもは最初から正しい発音ができるわけではありません。

たとえば3歳の発達段階で「さかな」を「しゃかな」と発音するのは構音障害ではありません。

ですが、小学生になってもその状態が改善しない場合や、発達段階で通常は起こらないような誤り方がみられる場合は、構音障害と診断されます。

――小さな子どもたちにとって、発音しやすい音、しにくい音の違いはなんですか。

日本語は子音と母音の組み合わせでできています。

「あいうえお」の母音は、3歳くらいまでにはっきり発音できるようになってくると言われます。

母音以外の音(子音)の中で、たとえば、「ま」「ば」「ぱ」などの唇を使う音は、発音するときの口の動きが見えるのでまねがしやすく、6カ月くらいの赤ちゃんの時期から発音できるようになってきます。

一方で、サ行音、ザ行音、ラ行音、「つ」「き」「け」については、上手に発音できるようになるまでに時間がかかる子どももいます。

たとえばサ行は舌先を上あごの歯茎に近づけて小さな隙間を作り、息を出して発音します。この小さな隙間を舌先でつくる動作が難しいのです。

カ行音は4歳くらいまでには言えるようになる子どもが多いですが、「カメ」が「タメ」になったり、「コマ」が「トマ」になったりすることがあります。

カ行は舌の奥の方と口の中の天井の部分(口蓋)とでつくる音ですが、口の中の構造や舌の動かし方が目で見えないことが、発音を難しくさせているのだと思います。

――構音障害は赤ちゃん言葉とはちがうのですか。

発音が苦手な子どもたちの中には、うまく発音できるまでの間に発音の仕方が近い音を使うことでいわゆる「赤ちゃん言葉」になってしまうケースがありますが、これらは自然と治ることが多いです。一方で、放っておいてもよくならないのが構音障害です。

子どもにみられる構音障害のひとつに、「側音化構音」があります。

母音の「イ」と「き、し、ち、り」などのイ列音に多く、「ツキ(月)」と「ツチ(土)」の区別がつきにくい、「キリギリス」がうまく発音できないといったことで相談を受けることがあります。

発音するときの舌の位置と息の通り道が側方にずれるため、音がひずんで聞こえます。

子どもの時には側音化構音に気づかなかったり、トレーニングを受ける機会がなかったりして、大人になっても残ってしまうケースが少なくありません。

人前で話したくない、自分に自信が持てないなど、心理的問題に発展する場合があるので、子どもの構音障害に気づいたら、早めに一度言語聴覚士に相談することをお勧めします。

――構音障害の原因は何ですか。

子どもの構音障害には原因が明らかな場合と、原因がはっきりしない場合があります。

原因が明らかな場合の例としては、口唇口蓋裂(こうがいれつ)など、生まれつきの口の中の形態の問題や、聴覚障害(難聴)により生じる構音障害があります。

原因が明らかでない場合でも、唇や舌の動きの不器用さや、ことばの発達の遅れなどが構音障害に関連していることがあります。

明らかな耳の聞こえの問題は無くても、ことばや発音を覚える時期に何度も中耳炎になっていたことが構音障害に関連している可能性もあります。

複数の要因が関連していることもありますし、子どもによっても異なります。

リンク先は朝日新聞EduAというサイトの記事になります。

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