学習(条件づけ)の実験[クリックで拡大] 出所:同志社大学

手術不要で音を届けるレーザー照射技術を開発、次世代の難聴治療に

医療技術ニュース

同志社大学は、外耳からのレーザー照射で蝸牛を刺激して聴覚を誘発する、非接触型刺激技術を開発した。外科手術や遺伝子改変を必要とせず、レーザー刺激を実際の音として知覚していることを実証した。

2026年08月06日 15時00分 公開


 同志社大学は2026年7月10日、外耳からのレーザー照射で蝸牛を刺激して聴覚を誘発する、非接触型刺激技術を開発したと発表した。慶應義塾大学との共同研究によるもので、外科手術や遺伝子改変を必要としないため、患者への身体的負担を軽減できる可能性がある。

 研究では、事前に「音が聞こえたら水が飲める」ことを学習したスナネズミを用いて行動実験を実施した。音刺激を与えずに赤外レーザーを照射したところ、水を期待してなめる行動を示した。このことから、レーザー刺激を聴覚情報として利用していることが実証された。

学習(条件づけ)の実験[クリックで拡大] 出所:同志社大学

学習(条件づけ)の実験[クリックで拡大] 出所:同志社大学


 周囲に雑音が存在する環境下では、レーザー刺激に対するスナネズミの反応も弱まった。レーザー刺激は単なる光や熱への反応ではなく、実際の音と同様に、音刺激と関連する神経処理を利用していることが示唆される。

 また、音刺激で学習したスナネズミは、未学習のレーザー刺激にも同様の反応を示した。音刺激とレーザー刺激による学習効率はほぼ同等で、レーザー刺激で生じる聞こえは自然な音と同程度に明瞭である可能性が示された。

大きな音を加えた場合のレーザー刺激への反応[クリックで拡大] 出所:同志社大学

大きな音を加えた場合のレーザー刺激への反応[クリックで拡大] 出所:同志社大学

 

レーザー刺激を水報酬の合図として学習可能[クリックで拡大] 出所:同志社大学

レーザー刺激を水報酬の合図として学習可能[クリックで拡大] 出所:同志社大学


 光感受性タンパク質を導入する遺伝子改変を必要としないため、次世代の光人工内耳や新たな難聴治療法への応用が期待される。

 

記事のポイント! 

赤外レーザーによる刺激をスナネズミが実際の音と同様の聴覚情報として認識することを実証しました。外科手術や遺伝子改変を必要としないことから、身体的負担の少ない光人工内耳や新たな難聴治療につながる可能性が注目されます。

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原文掲載元はこちら 

 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2608/06/news072.html

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