「手話」を使った取り組み広がる ANAや県庁でも

「手話」を使った取り組み広がる ANAや県庁でも

2025/01/30 (木) 16:30[2025/01/31 (金) 14:09 更新]

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耳が聞こえない人や聞こえにくい人が世界から集まるスポーツの祭典、「デフリンピック」が2025年11月に、日本で初めて東京で開かれます。100回目を迎えるこの世界大会に照準を定め、福岡県内でも進む「手話」を使った取り組みを取材しました。

やってきたのは福岡空港。

記者
「特別に職員専用のエリアに入らせてもらった。手元見えますか?手話の勉強会が開かれています」

その名も「手話カフェ」。参加しているのはANA福岡空港などANAグループの社員。2023年から行われている取り組みで年に5回ほど開かれています。社員からの提案制度を利用してこの企画が成立しました。ろう者の社員と手話ができる、聞こえる社員の3人で主に企画・運営をしています。

この日は国際手話についての勉強です。国際手話とは世界共通の手話。主に日本で使用されている手話とは異なります。国際手話を勉強しているのはある理由がありました。

「手話カフェ」を提案 ANA福岡空港 小野麻代さん
「デフリンピックというものが東京で開催されるというニュースを見ましてANAは空の玄関口なので海外からも耳の聞こえない方がたくさんいらっしゃるので安心して飛行機をご利用いただけるようにサービスを提供したい」

この手話カフェでは聴覚障害のある人について理解を促進するための講話なども行われます。勤務時間外に行われるため自由参加ですが、これまでに100人以上の社員が参加しました。

参加した社員
「耳の聞こえない人に手話で話すと近くなれるのではないかと思って参加した」
「手話を(カウンターで)する時に(手話が)あっているかな?と不安はあったが、手話カフェに参加して自信を持って使うことができるようになった」

Q.どんな空港にしたいか
「手話ができたらそれが一番良いが、耳が聞こえない人自身も手話ができるとは限らないので口話であったり、ジェスチャー、筆談。どうやったらコミュニケーションをとれるかっていうのを自分で考えられるような社員を育てるのが目標」

さらに全日空では2024年10月から全国の空港で「遠隔手話通訳サービス」が
利用できるようになりました。QRコードを読み込んでオンライン通話につなぎ利用します。

やってきたのは福岡県庁。手話を使ったあるサービスを耳の聞こえない人に体験してもらいます。協力してもらったのは平本龍之介さん。会社に勤めながら漫画家をしていて聴覚障害者の日常を発信しています。

県庁や住んでいる久留米市の窓口でも苦労した経験があるといいます。

平本龍之介さん
「(住んでいる)久留米市は手話通訳が3人いるが、いない時は困る。(通訳がいないと)コミュニケーションとして困る、と思ったことはある」

こうした聴覚障害者の窓口対応を円滑に進めるため、県が2024年12月から実証実験を続けているのが「シュアトーク」というサービスです。タブレットの画面に向かって手話をすると、AIがその動作を読み込み文字に訳してくれるという仕組みです。

ソフトバンクと電気通信大学が共同開発し、全国約20の自治体や聴覚障がい者協会で実証実験を進めています。まだAIに情報を集めている段階のため、正しく認識しないこともありますが来年度中のサービス化を目指しています。

「若者が使う手話と高齢者が使う手話は違う。地方によってもバラバラ。(手話を使う人同士でも)すごく難しい。(サービス化すれば)画期的」

ソフトバンクでは将来的に病院やホテルの受付など特に利便性が高くなる場所での活用を目指しています。

アナウンスなどが聞こえず情報を得ることが難しい聴覚障害者。平本さんもこうしたサービスが広がることでどんな人も同じように情報が取得できる環境が必要だと話します。

「情報をいっぱいそろえられる(環境が)あればどんな人に対しても安心した社会になると思っている」


リンク先はテレQというサイトの記事になります。


 

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