日本代表候補合宿に密着!デフサッカーの見どころは…東京デフリンピック11月開幕【デフスポふくしま⑨】

日本代表候補合宿に密着!デフサッカーの見どころは…東京デフリンピック11月開幕【デフスポふくしま⑨】

2025年9月21日(日) 05:00
末永万智

松元卓巳選手


今年11月に開催される東京デフリンピックについてお伝えしている「デフスポふくしま」。開幕に向け、福島県内でもさまざまなイベントが行われています。Jヴィレッジで競技が行われる「デフサッカー」も、本番に向けて練習に熱が入っています。男子日本代表候補の合宿に密着しました。

末永万智アナウンサー「東京デフリンピックの開催まで100日を切りました。県内でもイベントが行われていて盛り上がりを見せています。」

東京デフリンピックの開催まであと3か月を切り、県内でもさまざまなPR活動が行われています。8月5日には、フリンピックをPRするため全国を周っているキャラバンカーが郡山市に到着。1週間、県内各地を周り、展示などを通じてデフリンピックの魅力をアピールしました。

フリンピックをPRするため全国を周っているキャラバンカーが郡山市に到着

末永アナ「ずらりと並んだ有名漫画のイラストたち。実はこちら、このキャラバンのために描かれたものなんです」

より多くの人に興味を持ってもらい、デフリンピックを盛り上げたいと日本を代表する漫画家たちが作品を描きおろしました。

デフリンピックを盛り上げたいと日本を代表する漫画家たちが作品を描きおろしました

そのほか、大会で選手たちに贈られるメダルのレプリカも展示。デザインは、3つの案の中から全国の小・中・高校生が選んだもので、真ん中の折り鶴には、「選手たちが大きく羽ばたき、活躍してほしい」という願いが込められています。

大会で選手たちに贈られるメダルのレプリカも展示

さらに、手話体験ブースも設けて、聴覚障害者への理解を深めることにも取り組みます。

参加した中学生「手話をすることで耳が聞こえない人と関係性が生まれることが素敵だと思った」
参加した中学生「また手話を覚えて、耳が聞こえない人と会話できたらいいなと思った」
参加した中学生「(デフリンピックに)興味がわいて、応援したいと思った」


「人生のすべて」松元主将が観戦呼びかけ

郡山市では、開幕100日前を記念してカウントダウンイベントを開催。ステージではデフリンピックとはどんな大会なのか、子どもたちにも分かりやすいよう紙芝居が披露されたほか、デフバスケ日本代表の越前由喜選手など、県ゆかりのデフアスリートによるトークショーも行われました。Jヴィレッジで開催されるデフサッカーからは、男子日本代表キャプテンの松元卓巳選手が登壇。競技の魅力について語り、開催地の福島県民にぜひ観戦に来てほしいと呼びかけました。

松元卓巳選手「(デフリンピックは)人生のすべて。この大会で世界一を獲るためだけにいま頑張っていますので」

男子日本代表キャプテンの松元卓巳選手が登壇

大会本番が迫る中、デフサッカー日本代表の練習にも気合いが入ります。


北澤豪さんも太鼓判 日本代表の実力

末永アナ「今日は秋田の競技場にやってきました。ここではデフサッカー日本代表候補が練習を行っています。もう練習試合始まっていますね。デフリンピックが目前に迫っていることもあってかかなり熱気を感じます」

7月に行われた男子日本代表候補の合宿。デフリンピックを目前にして7月に監督が交代するという大きな変化があった中ですが、選手たちは大会に向けて心をひとつに練習に打ち込みます。

新しく就任した、齋藤登監督。デフサッカーを指導するのは初めてだといいますが、日本代表チームの熱意を強く感じています。

新しく就任した、齋藤登監督

男子デフサッカー日本代表・齋藤登(のぼる)監督「雰囲気は非常に素晴らしいですよ。とにかくデフリンピックで金メダルをとりたいという思いは非常に強いですね。彼らは真面目で、取り組み方は非常に素晴らしいですよ」

そんな齋藤監督の指導方針は…。

齋藤監督「意図的に自分たちがやりたいことをやる、偶然に頼ったサッカーではなくて、ちゃんとボールを大切にしながら、自分たちの意図でボールを動かし、相手を崩しゴールへ向かう。そういったサッカーこそが面白いんだという風に、自分自身は思っているので、そういったことを彼らにも伝え、共有していきたいと思う」

デフサッカー日本代表について、元サッカー日本代表のレジェンドもそのレベルを高く評価しています。

北澤豪さん「いや、もうデフサッカーの日本代表のレベルになったらかなりレベル高いですよ。いまの俺では勝てないですよ。そのくらい肉体的にも強いし、技術的にもかなり鍛えられている。それはターゲットがあるからだと思うんですよね、やっぱり。福島でデフリンピックのサッカーの試合があるっていうのがあって」

北澤豪


ハンドサインやアイコンタクト デフサッカーの見どころ

齋藤監督の指導方針は選手たちにとって新鮮で、今までにないものだといいます。前回のワールドカップで7ゴールを決め、大会MVPに輝いた岡田拓也選手は…。

岡田拓也選手「(監督は)言葉の言語化が上手といいますか、詳しいところをしっかりつめていく感じがすごく新鮮で、頭の中にすんなり入っていく感じがいままでデフサッカーにはなかったので、みなさんの顔を見てもやっぱり納得できている顔があった」

この日が日本代表が選ばれる前の最後の合宿ということもあり、練習には緊張感が漂います。2年前のワールドカップが惜しくも準優勝で終わり、デフリンピックでは世界の頂点を目指す日本代表。実戦を意識して地元大学のサッカー部と練習試合を行いました。

試合中、相手チームが声をかけあう中、デフサッカーの日本代表候補たちは静寂の中でプレー。ハンドサインやアイコンタクトで連携をとります。プレー中に声で指示ができない分、プレーが止まるたびに手話で意思疎通を図る。初めてデフサッカーを見る人にも、そこを楽しんでほしいといいます。

松元卓巳主将「聞こえない中で、全員がJリーグとかと同じようなルールでやっているので、普通に見ていただいても楽しんでいただけると思いますし、さらに聞こえない中でスピーディーなサッカーをしている。そこがすごい謎みたいなっていうところも見ていただけたら嬉しいなと思います」

松元卓巳主将

松本主将


岡田拓也選手「コミュニケーション方法、声が伝わらないので手話だったりボディランゲージ、アイコンタクトといったようなコミュニケーションでとるので、そういったところがデフサッカーのみならず、他のデフスポーツの大きな魅力なのかなと思います」

岡田選手

岡田選手


デフサッカー男子日本代表が見据えるのはただ一つ、金メダルです。

松元卓巳主将「圧倒的な力で世界一を獲ることが我々の目標なので、そこはもう揺るがないので世界一です」

岡田拓也選手「個人の目標はまずは個人賞でMVPをとりたいなと思ってまして、チームとしての目標はもちろん金メダル」

Jヴィレッジ開催のデフリンピックで新たな歴史を刻むため、選手たちは闘志を燃やしています。

▽この合宿のあと、日本代表が発表され、松元選手、岡田選手ともに代表に選ばれました。


リンク先はテレビュー福島というサイトの記事になります。


 

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