昨年覇者に互角、次は障害者世界一 立志舎・高橋斗波投手 夏の高校野球、東東京大会

昨年覇者に互角、次は障害者世界一 立志舎・高橋斗波投手 夏の高校野球、東東京大会

2024/7/17 21:50

立志舎の先発・高橋斗波(とわ)さんが投球する姿
立志舎の先発・高橋斗波(とわ)=17日、神宮球場(岩崎叶汰撮影)

言葉がうまく伝わらなくても、「懸命に腕を振って」投げ、結果で示してきた。先天性難聴により、今でも会話には補聴器が欠かせないが、「監督やコーチからアドバイスをもらい、ここで野球をやっていけると思った」と入部を決意した。

当初はコミュニケーションに苦労したが、仲間たちは「口の動きを意識」してくれるようになり、入学から1年足らずで滞りなく意思疎通できるようになった。「周囲の理解がなければ、ここまでの投球はできなかった」と感謝する。

頼れる投手になるため、「入学時から課題だった」という制球力を磨いた。さらに自分に合った投げ方を模索し、筋力トレーニングにも力を入れてダブルエースの一角・豊蔵優(3年)と切磋琢磨してきた。

「とにかく勝とうと意気込んで臨んだ」昨夏の東東京大会覇者・共栄学園との一戦。序盤に1点を許したが、緩急つけた投球で相手に追加点を許さない。昨夏から舞台を踏んできた経験を生かし、足のマメがつぶれるアクシデントにも動じず、マウンドに立ち続けた。

七回、得点圏に走者を進められた場面で、捕手の三宅悠太(3年)から声をかけられた。「思い切って投げてこい」。後続を打ち取ってこの回を抑え、豊蔵に託した。

今の仲間との夏は終わったが、「本当に苦しい場面で助けられた」と、最後まで感謝を口にした。将来は「障害者野球で世界一を取りたい。障害者でもスポーツができることを広めたい」。若武者の目は、広い世界を見据えていた。(宮崎秀太)


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