2026年9月15日 19:30
本田財団は15日、優れた功績を残した科学者を表彰する「本田賞」の受賞者を発表した。人工内耳を開発したメルボルン大学のグレアム・クラーク名誉教授とオーストリア企業のインゲボルグ・ホフマイヤー最高経営責任者(CEO)が選ばれた。

受賞者を発表する松本和子選考委員会副委員長㊧(15日、東京都千代田区)
両氏は言葉を識別できる「多チャンネル型」の人工内耳の開発に貢献した。臨床実用化や世界的な普及に取り組んだ功績が評価された。
人工内耳は耳に装着し、電極を内耳に埋め込んで聴覚に関わる神経を直接刺激する機器だ。音の情報を電気信号に変換して脳に伝える。多チャンネル型になったことで、音の高さを聞き分けられるようになり、従来難しかった言葉の識別が可能になった。
1970年代に両氏は独立して臨床応用に成功した。企業を通じて、それぞれ製品化と普及に取り組んだ。クラーク氏は「神経工学によって脳機能を取り戻す新たな可能性の道を開いた」と述べた。ホフマイヤー氏は人工内耳を「人々の人生を大きく変える力がある」とした。
世界で人工内耳を利用する人は現在、100万人を超える。日本でも2万人以上が装着しているとされ、年間で約1200件の手術が実施されている。
本田財団はホンダ創業者の本田宗一郎氏らによって設立された。国内外の科学者を幅広く表彰しており、今回が47回目となる。
過去には人工知能(AI)研究に貢献したジェフリー・ヒントン氏や青色発光ダイオード(LED)の開発に携わった中村修二氏といった、ノーベル賞を受賞した研究者が受賞している。授賞式は11月16日に開かれる。
記事のポイント!
言葉の識別を可能にし、現在では世界で100万人以上が利用する人工内耳。その発展を支えた多チャンネル型人工内耳の開発と、臨床実用化・世界的な普及に貢献した2氏の功績が本田賞で評価されました。日本でも2万人以上が装着しているとされる人工内耳の歴史と社会的な広がりが分かる記事です。
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原文掲載元はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG153HL0V10C26A9000000/
