渕暢之、聴覚の特性は「自分だけの個性。胸を張って前向きに」 東京2025デフリンピック ゴルフ競技

渕暢之、聴覚の特性は「自分だけの個性。胸を張って前向きに」 東京2025デフリンピック ゴルフ競技

渕暢之選手(写真提供:日本デフゴルフ協会)

渕暢之選手(写真提供:日本デフゴルフ協会)
 

 国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催する東京2025デフリンピック(TOKYO 2025 DEAFLYMPICS)が、2025年11月15日から26日にかけて開催される。

 デフリンピックとは、「デフ(Deaf/耳が聞こえない)」と「オリンピック」を組み合わせた言葉で、聞こえない・聞こえにくい人々のための国際的なスポーツ大会。70~80の国と地域から、約3,000人の選手が参加し、21競技が行われる。

 開催は4年に1度で、第1回大会はフランス・パリで開催され、東京2025デフリンピックは100周年の記念大会であり、日本で初めての開催となる。

 ゴルフ競技は11月18日から21日まで、東京都の若洲ゴルフリンクスで開催。出場予定の渕暢之選手が一問一答のインタビューに答えた。

渕暢之選手、日の丸とともに(写真提供:日本デフゴルフ協会)

渕暢之選手、日の丸とともに(写真提供:日本デフゴルフ協会)


―お名前、ご年齢、ご出身地は?

渕暢之(ふち・のぶゆき)、49歳、兵庫県姫路市(出生は埼玉県)

―ゴルフを始めたきっかけ、競技歴は?
同僚に人数合わせで誘われて、15年程度です。

―日々の練習スタイルや意識していることは?
29歳で始め、38歳までは毎日のように球数をこなしていました。肘の故障後は月1回程度の練習で、自分の決めたスイングポイントを少ない球数で反復しています。

―得意なクラブとその理由は?
ウェッジ(58度)。パーオン率が悪いため寄せが得意で、アプローチの引き出しも多いです。

―コースで心がけているプレースタイルや戦略は?
メリハリをつけたコースマネジメント。普段から強気のラウンドをしてミスの経験値を積んでいます。

―ご自身のゴルフの強み・個性を一言で表すなら?
強みはスコアメイク、個性はマイペースです。

―デフリンピック代表に選ばれた時の気持ちは?
東京で実施されるデフリンピックを4年前から目指していたので、率直に嬉しかったです。

―代表選考会や大会で印象に残った出来事は?
2024年の世界大会で8位、日本デフゴルフ選手権で2位と、ギリギリで代表内定が決まったことです。

―チームの雰囲気や代表選手として意識していることは?
チームが明るくなるよう関西人のノリで盛り上げています。最年長として、できることは何でもするつもりです。

―聴こえ方の違いがある中で、ゴルフをする上で工夫している点は?
特にありませんが、誰かが話しかけているかもしれないと意識して周囲を見渡すようにしています。

―他の選手(聴者を含む)との違いや共通点は?
難聴者であることは事前に必ず伝える必要があります。それ以外のプレー面では共通点が多いと思います。

―試合中のコミュニケーションで工夫していることは?
デフゴルフ大会では補聴器を外すため、片言の手話や身振り、口話で対応しています。

―東京デフリンピックへの想いと意気込みは?
4年間の努力の成果として出場できることに感謝し、成績を残したいです。

―自国開催で感じる期待やプレッシャーは?
初めてのデフリンピックなので、プレッシャーよりも楽しみの方が大きいです。

―デフリンピック後の目標は?
来年50歳になり、シニア枠で世界大会に出場できるようになります。シニアで世界一を目指したいです。

―聴覚に特性のある子どもたちへのメッセージは?
聴覚障害は自分だけの個性。恥じることなく、胸を張って前向きに頑張りましょう。

―デフゴルフやスポーツ全体への希望・提言は?
デフスポーツの認知度はまだ低いので、選択肢のひとつとして認知されるよう常にPR活動を続けていく必要があります。

―応援してくれる方々へメッセージを
年齢的にラストチャンスだと思っています。精一杯頑張るので、皆さん応援よろしくお願いいたします。


■日本デフゴルフ協会
https://jdga.or.jp
 

リンク先はmy caddieというサイトの記事になります。


 

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