『文ゆかば』が話題(C)西原梨花/小学館

耳が聞こえない少女は"空襲警報"も気付けない…戦時下の聴覚障害者を描いた作品が「とても考えさせられた」【漫画】

2026/09/15 08:00

『文ゆかば』が話題(C)西原梨花/小学館

『文ゆかば』が話題(C)西原梨花/小学館


コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ビッコミで連載中の西原梨花さんが描く『文ゆかば』より第6話をピックアップ。

西原梨花さんが8月11日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、西原梨花さんにインタビューを行い、漫画を描く際のこだわりや今後の見どころなどについて語ってもらった。


空襲警報と聴覚障害者

『文ゆかば』第6話(20/30)(C)西原梨花/小学館

『文ゆかば』第6話(20/30)(C)西原梨花/小学館

 

昭和19年、戦時下の日本が舞台の本作。空襲で家族を失った耳の聞こえない少女・文(ふみ)が、兵庫県神戸市の夏目家に女中として働く様子が描かれている。

6月15日。いつも通り軍服を作る工場に勤務していた文。職場の女性たちにもうまく溶け込めるようになってきた文だったが、耳が聞こえないことから、時に休憩が終わった事などに気づけないことがあった。

仕事から帰宅し、夕飯の支度前に裁縫をしようとミシンの前に座った文。昼間職場の仲間が結婚することを知り、自分が結婚するならどんな人なのか、などと考えながら作業をしていた。

その時、空襲警報が町に鳴り響く。人々があわただしく避難する中、文は空襲警報に気づかず一人ミシンの前に座っており…。

作品を読んだ読者からは、「いろんな意味でドキドキして、何回も読みたくなる」「障害者の戦争というのは考えたことがなかった…」「大変な時代に更にハンディキャップのある人がどう生きてきたか、とても勉強になります」など、反響の声が多く寄せられている。


作者・西原梨花さん「ほっとするシーンや辛いシーンのバランスは意識して…」

『文ゆかば』第6話(28/30)(C)西原梨花/小学館

『文ゆかば』第6話(28/30)(C)西原梨花/小学館

 

――本作は聴覚障害の少女・文と、聴者である夏目家のおじさんや功雄を中心に物語が進んでいきますが、登場キャラクターの関係性を描く際に意識していることがございましたらお教えください。

相手のことを何でも受け入れるような、完璧な理解者にはしないよう心がけています。

 

――戦時中の聴覚障害者をテーマに作品を創作する上で、特に心がけているところ、大切にしていること、苦労したことなどがあればお教えください

戦時中の聴覚障害者の資料が少ないので、どんな風に暮らしてるのかはほとんど想像で補っており、当時の環境を取材した上で描いています。

当時は灯火管制といって夜間は街灯も全て消えて真っ暗なので、文はすごく怖いだろうな…と考えたり、家の戸は基本的に全て開いてる状態で作画したりしています。(現代の聴覚障害者は目で人を確認出来るように扉が開いてたり、扉にガラスの小窓がついてたりしてます。)

そして、その聴覚障害を周囲が受け入れているだけでなく、どう差別しているかも描くようにしていますが、ほっとするシーンや辛いシーンのバランスは意識しています。

 

――Xに投稿された第6話の中で、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

後半、文のモノローグの「そして見つけてくれた」です。

6話目の当初は「文が家にいる時に功雄が助けてくれたから文は嬉しい」で終わってました。

でも掘り下げると助けてくれたから嬉しいのではなくて、「忘れられがちな存在であるところを功雄が覚えていてくれたから嬉しい」と自分でも文の気持ちをより理解出来たからです。

 

――X(旧Twitter)の投稿には多くの読者から反響があったと思いますが、特に印象に残っているコメントなどはありますか。

現代の災害とも通ずるものがあるというようなコメントです。

この作品は昔だから…で完結していなくて、現代と地続きであるといつも考えて描いています。

6話目を描いた時にも、「災害が起きた時にみんなが同じように情報を聞いてるわけではない」というところを再認識してくれたらなと思ったので、それが伝わって良かったです。

 

――現在も連載中の本作ですが、今後の見どころや注目ポイントをお教えください。

ろう者の文ならではの考えをいつも大事に描いてるので、それを見てもらいたいです。

それから当時のろう者のこともまだまだ全然描けていませんので、そこももっと掘り下げたいです。

 

記事のポイント! 

耳が聞こえないため空襲警報に気づけない――戦時下を生きるろう者の少女を描いた漫画『文ゆかば』を紹介しています。作者へのインタビューでは、資料の少ない戦時中の聴覚障害者をどのように描いているのか、周囲の理解だけでなく差別も描く理由などを紹介。災害時に誰もが同じように情報を受け取れるわけではないという、現代にもつながるテーマが印象に残る記事です。

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気になる症状がある場合は 

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://thetv.jp/news/detail/1437892/

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