聴覚障害者に筆談求められ慌てて逃げ出した高校生、今は障害者の就労支援を担当…社会福祉ヒーローズ賞に

聴覚障害者に筆談求められ慌てて逃げ出した高校生、今は障害者の就労支援を担当…社会福祉ヒーローズ賞に

2025/02/09 16:30

小野海利さん

小野海利さん


博愛会地域総合支援センター支援員 小野海利さん(25)

 社会福祉法人博愛会が運営する大分市内のカフェなどで障害者の就労支援を担当。福祉現場の第一線で活躍する若手を全国社会福祉法人経営者協議会が表彰する2024年度の「社会福祉ヒーローズ賞」(全国で7人)の受賞が決まった。

 高校3年の頃、ボランティアで障害者スポーツの催しに参加した。聴覚障害者に筆談を求められたが、慌ててその場から逃げ出してしまった。恥ずかしさと後悔の念にさいなまれた。

 大分県内の短大に在学中、就職活動で博愛会が運営するカフェを訪れた。知的障害のある従業員が自信に満ちた表情で接客する姿を見て、「職員が従業員としっかり向き合って、接客を丁寧に教えている」と感じた。「障害者と向き合えなかった自分が変わるかもしれない」との思いもあり、20年に同会へ就職した。

 23年からは、「全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)」の出場者支援を受け持つ。練習ではやる気を保つよう、「自分らしくやることが大事」と繰り返し伝えている。

 同年の大会では支援した出場者の一人が、接客の正確さなどを競う「喫茶サービス種目」で金賞に輝き、涙を流して喜び合った。

 「高校時代の経験があったから、今の自分がある」と言う。これからも障害者と向き合い、支え続ける。(山口覚智)


リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。


 

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