障スポ準備着々と 会場名簡単に表す手話考案 「オープン競技」普及

障スポ準備着々と 会場名簡単に表す手話考案 「オープン競技」普及

2025/04/22 05:00

来年秋に国民スポーツ大会(国スポ)本大会とともに県内を中心に開かれる全国障害者スポーツ大会(障スポ)の準備が、着々と進められている。県や障害者支援団体は、開催地が独自に競技を指定する「オープン競技」の普及活動を進めたり、大会期間中に使用する競技会場名を簡単に表す手話を考案したりしている。(本間理央)

考案された会場名の手話の一例


■「デフボウリング」体験


 2月中旬、弘前市の県立弘前聾学校の体育館。オープン競技の一つである「デフボウリング」の体験授業で、子どもたちが笑顔を見せた。デフボウリングは聴覚障害者が行う競技で、一般的なボウリングのルールと同じように、6ゲームの合計点を競う。この日はピンが横一列にセットされた「ビーンボウリング」を使って、児童生徒9人がボウリングのルールを学んだ。

 県障スポ課が県内の特別支援学校で出前授業を開催し、今回で6回目となる。オープン競技に興味を持ってもらい、大会の参加につなげることが狙いだ。


■分かりやすさ


 一方、大会を円滑に進めるため、態勢作りにも力を入れる。県障スポ課によると、大会期間中は少なくとも約3640人の選手たちが集まる予定だ。中でも、手話を使う人たちが県内の会場名を簡単に認識できるよう、2023年9月頃、手話が考え出された。

 県ろうあ協会の会員が地域の聴覚障害者に対して、各会場名をいつもはどんな手話で表しているのかを調査。既に定着した手話がある場合はそのまま採用し、一つの会場に対して複数の手話を使っていた場合は、新たな手話を考えた。

 同協会によると、手話を決めるポイントの一つは、分かりやすさだ。会場の特徴を捉えた表現を手話に取り入れたという。

 例えば、青森市宮田の「マエダアリーナ」は、スーパー「マエダ」のロゴマークであるハクチョウにちなんで、ハクチョウの見た目や動きを手話に落とし込んだ。近くの「カクヒログループアスレチックスタジアム」は、指文字の「カ」を示した両手で手前から前方に 楕円だえん を描くようにする。手話の「スタジアム」と組み合わせたものだ。こうした手話を計5会場分、考案した。同協会の浅利義弘理事・事務局長は「手話を知らない人にも覚えてもらいやすいと思う」と話す。


■「筆談ボラ」募集中

 準備には課題も残る。筆談で情報支援を行うボランティアの募集(人数200人)を23年9月から始めたものの、今年3月末時点で47人しか集まっていない。県や青森市の広報誌などで募集の呼びかけはしているが、なかなか動員につながらないという。

 県障スポ課は「筆談ボランティアに必要な知識などは研修で知ってもらうので、不安なく参加してほしい」と呼びかけている。


リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。


 

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