難聴「正しい理解が大切」 受診、補聴器など早期介入を 龍郷町で講演会

難聴「正しい理解が大切」 受診、補聴器など早期介入を 龍郷町で講演会

2025年11月13日

高齢者の難聴について理解を深めることなどを目的とした2025年度龍郷町「ヒアリングフレイル講演会」

龍郷町の「ヒアリングフレイル講演会」=11日、同町りゅうがく館


高齢者の難聴について理解を深めることなどを目的とした2025年度龍郷町「ヒアリングフレイル講演会」が11日、同町のりゅうがく館であった。聴脳科学総合研究所の中石真一路所長が講師を務め「難聴だと、大きな声で話しても、正しく聞き取れないことがある。周りにいる人が正しく知って、この問題に早めに介入してほしい」と呼び掛けた。

「ヒアリングフレイル」は「耳の聞き取り機能の衰え」のことで、中石所長が提唱。放置すると周囲とのコミュニケーションが減り、認知症やうつ状態のリスクが高まる。大きな声で話しても、言葉として聞き取れない「感音性難聴」は高齢者難聴の6~7割にもなるという。

中石所長は「大きな声は、話す方も聞く方も互いに負担が大きい。表情が怖く『会話』ではなく『確認』になる。(圧迫感を感じる難聴者は)聞こえたふりをし、周囲はそれに気付かず難聴が進行する」と指摘。家庭内や社会での孤立を招き、認知症と誤認されることに触れ「周りにいる人が正しく理解することが大切」と訴えた。

その上で、耳の健康チェックで難聴の早期発見に有効な無料のスマートフォンアプリを紹介。周囲の人々の早い段階での介入策として耳鼻科受診や、OTC補聴器などの聴覚支援機器についても説明した。

講演では、聴力が衰えた高齢者が1カ月間音楽を聞き続けた結果、聞き取り能力が回復したという最新の研究成果にも触れ、中石所長は「日々聞き続けることが脳のリハビリになる」とも述べた。

家族が難聴でつい大声を出してしまうという受講者の体験には「まずは普通の声で近くに寄って話してみて、距離と声の大きさを調整してみて」とアドバイス。70代の参加者は「とても分かりやすく、補聴器にいろんな種類があることを知れて良かった」と話した。


リンク先は南海日日新聞というサイトの記事になります。


 

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