2025/11/29 05:00
寄り添い、支え合う
県は子育て世代や障害者など、さまざまな人たちの思いに寄り添う支援を行い、互いに支え合う社会づくりにつなげる事業に取り組んでいる。本年度は、若年世代を対象とした性や妊娠に関する相談窓口の拡充設置、障害者雇用に関する情報を発信する「さが障害者おしごとフェア」を開催する。
プレコンセプションケアで相談窓口
性や妊娠の悩み、気軽に

プレコンセプションケアに関するセミナーの様子
若年世代が将来の妊娠などを見据えて健康と向き合う「プレコンセプションケア」の浸透を図ろうと、県は昨年度から取組を進めている。本年度は新たに、男女どちらも対象としたオンラインでの相談窓口を設置。若年期から性や妊娠、健康への悩みを気軽に相談できる環境づくりに取り組む。
低出生体重児出産のリスクが高まる女性のやせすぎ、男女の不妊症などを背景に、全国的にも取組が進んでいる。県は、性や妊娠に関する正しい知識を持ち、早い時期からの健康管理を促そうと、2024年度から啓発セミナーや啓発冊子の作成などに取り組んできた。
本年度は、セミナーやワークショップによる啓発に加え、無料のオンライン相談窓口を2種類設け、728万円の事業費を計上した。相談支援は若年層だけでなく、保護者やパートナーなども対象となる。
相談窓口の一つは助産師や管理栄養士、ファイナンシャルプランナーなどが、生理への悩みや食生活、低体重の改善、ライフプラン、出産や子育てに関する準備費用など、幅広い内容の相談をチャットやビデオ通話で受け付ける。
もう一つは、産婦人科受診を悩む人などに向けた産婦人科医によるオンライン相談窓口で、生理痛や生理周期、妊娠に関する相談ができる。ビデオ通話で、事前予約制となっている。こども家庭課は「妊娠していない方が産婦人科を受診するハードルは高い。匿名で相談可能なので、日ごろ気になる健康の悩みも含めて気軽に相談してほしい」と呼びかける。
来年1月「さが障害者おしごとフェア」
雇用への理解促進など情報発信

初開催される「さが障害者おしごとフェア」のワークショップのイメージ
県は障害のある方の自立した生活の実現に向けて、「障害者雇用の促進」と「福祉事業所で働く障害者の工賃向上」に取り組んでいる。本年度、新たな取組として「さが障害者おしごとフェア」を来年1月14日に佐賀市のメートプラザ佐賀で開催する。
「障害者雇用の促進」に関して、障害者雇用をサポートする支援機関などと企業が直接つながる場をつくることで、企業に対し障害者雇用への理解促進と受入れ準備などを支援し、障害者の働く場の拡大を目指す。併せて障害者雇用に関するセミナーや企業における障害者雇用の優良事例紹介も実施する。
また、「障害者の工賃の向上」のため、障害福祉事業所が受注可能な業務内容を、企業にPRするブースを設けることで、企業からの業務発注につなげる。企業にとっても、人手不足の解消や業務の効率化につながる可能性があり、企業と福祉事業所双方にとってメリットのある連携を促進する。
このほかにも支援機関の紹介やハローワークによる相談受付、将来的な働き方の選択肢としてロボットやメタバースを使った就労体験などのブース設置を予定している。
2024年に県内民間企業で法定雇用率(2・5%)を達成した割合は62・6%で、全国3位だった。一方で、法定雇用率に達していない企業や障害者雇用の実績がない企業もあり、仕事を求めている障害者もいる。
26年7月には法定雇用率が2・7%に引き上げられる。就労支援室は「一人でも多くの障害のある方が適性や希望に沿った仕事に就けるよう支援しつつ、企業には障害者雇用や福祉事業所への業務発注が企業の課題解決につながることを知ってほしい」と話す。
難聴の子どもを早期発見
検査体制維持へ機器購入支援

新生児の難聴を早期発見する聴覚スクリーニング検査
県は、新生児の聴覚スクリーニング検査の体制を維持しようと、県内の産科の医療機関などに対して、検査機器の購入支援に取り組んでいる。生まれつき聞こえに障害のある子どもは、500~1千人に1人と言われる。難聴児を早期に発見し、適切な支援につなげることを目指す。
検査は「自動ABR」の機器を使い、赤ちゃんが眠っている間に、音を聞かせて、その反応を記録する。県によると、難聴は目に見えないため発見するのが難しく、ことばや知能の発達の遅れなどにもつながるという。県内で出産できる医療機関は19カ所(10月時点)で、ほとんどの医療機関で機器を設置している。機器のない産科医療機関などで出生した赤ちゃんも機器を持つ別の産科医療機関などで、聴覚検査を受けることができる。
県は産科医療機関などの負担を軽減しようと、機器購入の助成費用として3120万円を予算化した。機器の相場は200~400万円ほどで、老朽化による買い替えの負担が大きいという。上限は1件につき240万円で、7月末までに申請をした14施設に助成する。
こども家庭課は「早期発見につなげ、適切な治療や支援を届けられるように検査体制を整えたい」と話す。
トピックス
さがすたいるブックを作成
年齢や性別、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず、誰もが心地よく過ごせるまちを目指す「さがすたいる」。県は学校の授業で活用できる教材を作成する。
小学4年生での活用を想定し、小学校教員や車いす利用者などが制作に関わっている。誰もが利用しやすい設備やサポートを街中の風景から見つけたり、高齢者や子育て中の人などの話を聴いて自分ごととして考えたりするページを設ける予定。県民協働課は「子どもたちがいろいろな人の気持ちに寄り添い、しぜんとお互いに支え合う行動へのきっかけにしていってほしい」と話した。3千部を発行し、来年度からの活用を見据える。
リンク先は佐賀新聞というサイトの記事になります。
