ヘッドホンで聴講、板書撮影… 障害学生10年で4倍 必要な配慮は

ヘッドホンで聴講、板書撮影… 障害学生10年で4倍 必要な配慮は

障害学生数の推移のグラフ
障害学生数の推移

発達障害や精神障害など障害がある大学生が10年前に比べて4倍に増えている。中には「人に会うのがつらくて、授業に参加できない」や「大学に行けない」といった苦痛を抱え、大学に相談するケースもある。1日に改正障害者差別解消法が施行され、私立大学を含む全ての大学に対して障害のある学生らへの合理的配慮が義務付けられた。大学間の取り組みには温度差もあり、学生の学びの環境が確保されるか課題もある。

相談は多岐に

「聴覚過敏がある場合は、環境音を軽減するために周りの音を遮るヘッドホンを着けて授業を受ける」

「授業を聞きながら板書を写すのが苦手な学生は、聞くことに徹するために、写真撮影を認めてもらう」

「複数の課題を同時に管理することが難しい学生は教授に連絡し、課題に取り組めるよう提出期限の延長を検討してもらう」

「体調不良で欠席する場合、その都度教授に連絡し、怠惰でないことを理解してもらう」
約1万5000人の学生が在籍する京都産業大(京都市)が、学内に設置されている障害学生教育支援センターに寄せられた相談をもとに、実施してきた合理的配慮だ。相談は多岐にわたり、これらはほんの一例に過ぎない。

過重負担なく、同等に

二十数年前に障害のある学生が3人入学したことをきっかけに、支援が始まった京産大。2017年に「教職員対応ガイドライン」を作成し、全教職員が障害がある学生への合理的配慮について共通認識を持つように努めるなど、先進的な取り組みで知られる。

学が障害のある学生に提供する合理的な配慮は、教育の本質を変えず、大学側に過度な負担がないことを前提としつつ、授業や試験などで他の学生と同等に参加できるよう、授業のあり方などを調整することを指す。

京産大では相談が寄せられると、ガイドラインに基づき対応が決められる。相談の受理後、学生を交えて配慮の内容を決定し、学生の情報を関係する教職員間で共有する。さらに学生と教職員との話し合いを経て、授業ごとの実際の配慮内容を詰める。23年度末現在、配慮が必要な学生は100人程度に上る。

リンク先は毎日新聞というサイトの記事になります。
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