前回2冠の空手女子・小倉涼、旗手として堂々行進…「積み重ねてきたものを全部出したい」

前回2冠の空手女子・小倉涼、旗手として堂々行進…「積み重ねてきたものを全部出したい」

2025/11/15 21:25

 静寂に包まれた世界の熱き戦いが始まった――。東京体育館(東京都渋谷区)で15日に行われた「デフリンピック東京大会」(読売新聞社協賛)の開会式。聴覚に障害がある人もない人も一緒になって作り上げた式典で、アスリートたちは健闘を誓い、パフォーマーたちは誰もが輝ける社会の実現を訴えた。

入場行進する旗手の小倉涼選手(中央)(15日、東京体育館で)=大石健登撮影

入場行進する旗手の小倉涼選手(中央)(15日、東京体育館で)=大石健登撮影


 日本選手団の旗手を務めた空手女子、小倉涼選手(25)は先頭で堂々と歩いた。デフリンピックでは自分の戦いを通じて聴覚障害者への理解が広がり、「誰もが生きやすい共生社会の実現につながること」を願っている。

 生まれつきの難聴で物心ついた時から「聞こえないことが当たり前だった」。4歳から空手道場に通い始めると、生来の負けず嫌いもあってメキメキと力をつけた。デフリンピックは2022年のカシアスドスル(ブラジル)大会で初出場。怖いもの知らずの22歳は対人で行う「組手」と、一人で演武する「形」の2種目でいきなり2冠の快挙を達成した。

 大会後、一時競技から離れたが、開催が決まった東京大会に向けて復帰し、今回は大黒柱としての活躍が期待されている。旗手の大役を任され、大会が近づく中で緊張感が高まり、重圧も感じている。それでも、「簡単に『金を取ります』とは言えないけど、前回より絶対に自分はレベルアップしている」と自信を見せる。

 空手は大会後半の23日から始まる。試合のある日は、母校で、現在は教員を務める坂戸ろう学園(埼玉県)の児童らが応援に駆けつける予定だ。「積み重ねてきたものを全部出したい」と覚悟を決めている。

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