「大切な人助けたい」 聴覚障害者向け、救命方法をカードに 三重

「大切な人助けたい」 聴覚障害者向け、救命方法をカードに 三重

毎日新聞
2025/3/2 07:15(最終更新 3/2 07:15)


 聴覚障害者が周囲の人と協力して救命活動する際に活用できる「救命メソッドカード」を、三重県志摩市消防本部が作成した。緊急時に必要となる行動がイラストなどでわかりやすく表示され、素早く、かつ確実に応急手当ての協力を得ることができるように工夫されている。

救命メソッドカードを使用して救助活動を実演する消防隊員=三重県志摩市の志摩市役所で2025年2月20日午前11時3分、大竹禎之撮影

救命メソッドカードを使用して救助活動を実演する消防隊員=三重県志摩市の志摩市役所で2025年2月20日午前11時3分、大竹禎之撮影

 カードは消防士の丸山莉奈さんの発案によるもの。聴覚に障害がある知人から「友人が倒れたとき、何もできずに悔しい思いをした。耳が聞こえなくても、いざという時に大切な人を助けられるようになりたい」と、手話で思いを伝えられたのがきっかけだったという。

丸山莉奈さんのアイデアから製作された「救命メソッドカード」

丸山莉奈さんのアイデアから製作された「救命メソッドカード」


 丸山さんが聴覚障害者の救命講習の実態を調べると、手話通訳者の確保など課題が多いことを知り、講習などを受けていなくても救命活動する際に参考にできるものとして、カードの作成を思いついた。2024年5月に全国消防職員意見発表会で考えを披露すると最優秀賞を受賞し、実現に向けて動き出した。

 志摩市消防本部はプロジェクトチームを結成し、手話サークルから意見を聞くなどした。救急の現場で使用する言葉を合わせたイラストや50音表が記載され、指などで差しながら意思疎通を図れるようになっているほか、心肺蘇生法の動画が見られるQRコードも記載されている。


 普及に向けた第一歩として、23日に志摩市消防本部で行う救急法講習会でカードを配布し、使用法を伝える。丸山さんは「使用してもらいながらブラッシュアップし、まずは市民、将来的には県、全国へと普及していけばうれしい」と話している。

 救命メソッドカードは志摩市消防本部ホームページからもダウンロードできる。【大竹禎之】
 

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