2026/3/29 15:00(最終更新 3/29 15:00)

咲き始めた皇居の桜=東京都千代田区で2026年3月21日午前8時45分、幾島健太郎撮影
今年も桜の開花に心躍る季節となった。新年度を新たな気持ちで過ごしたいところだが、環境の変化などもあり、実は春は体調を崩しやすい季節なのだ。この時期に気をつけたい3つの病気をチェックしよう。(医療ジャーナリスト・安達純子/サンデー毎日4月5日号掲載)
耳鳴りに潜む病気
季節の変わり目は体調を崩しやすい。特に春は日中と朝晩の気温差に加え、年度替わりの繁忙によるストレスも重なり、自律神経が乱れて不調につながることがある。たとえば「耳鳴り」。布団に入ると「キーン」と音が鳴り、気になって眠れないという人がいる。仕事が多忙で疲れているはずなのに、音が鳴り響いて寝つきが悪い。このような耳鳴りは、一般的にストレスと関係が深いといわれる。しかし、別の病気が隠れていることも……。
「耳鳴りを訴える患者さんのおよそ9割は、難聴を伴っていると報告されています。当院でも耳鳴りの患者さんを検査すると、難聴を呈しているケースがほとんどです。しかし、ご本人は難聴に気づいていないことが多いのです」と、東邦大医療センター大橋病院耳鼻咽喉(いんこう)科の宇田川友克(ともかつ)講師は警鐘を鳴らす。
音が聴こえる仕組みは、耳の奥の蝸牛(かぎゅう)という器官で音の振動を電気信号に変換し、脳へと送られて音として認識している。ところが、加齢に伴い蝸牛の細胞が徐々に失われていく。高い音(高周波)を感じる細胞から失われることが多く、高い音の電気信号が弱くなると、脳が音のボリュームを上げようとする。結果として「キーン」という耳鳴りが発症する。
「加齢に伴う難聴は中高年から始まり、70代の約7割が難聴と推計されています。また、若年層も音を長時間繰り返して聴くことによるヘッドホン・イヤホン難聴が増加しているようです。難聴が続くことで、耳鳴りも強く感じるようになります」(宇田川講師、以下同)
気にすると悪化する
難聴に伴う耳鳴りは、電車や人の声、音楽など、身の回りの音が比較的大きく聴こえているときには起こりにくいという。布団に入って寝るときなど、音がなくシーンとしているときに、脳が興奮して耳鳴りを感じることが多いそうだ。
「耳鳴りに意識を向けて『何かの病気かもしれない』と不安を感じると、脳がますます興奮して耳鳴りがひどくなる悪循環に陥ります。患者さんの中には、『頭の中でアブラゼミが100匹鳴いている』と訴える方もいました。耳鳴りが気になり始めたら、早めに耳鼻咽喉科を受診し原因を確かめることが重要といえます」
耳鳴りの陰に特定の病気が潜むこともある。たとえば、耳の奥の内耳の病気であるメニエール病は、過度なストレスなどを引き金に、耳鳴り、めまい、耳の詰まった感覚などの症状が特徴的だ。気になる症状は放置しないことが肝心といえる。
「加齢に伴う難聴は、急に起こるわけではありません。徐々に悪くなり、その兆候を知る手がかりとして、高音域の聴力低下に伴って子音(k、t、f、sなど)が聞き取りにくくなります」
たとえば、高菜(t―akana)と魚(s―akana)、冒頭の子音だけが異なる単語の聞き分けが難しくなる。このような聞き違いが増えたときには、加齢性難聴が進行している可能性があり、耳鳴りも起こりやすいのでご用心。
リンク先は毎日新聞というサイトの記事になります。
