「羽が生えたかのように落ち着いて試合に臨めた」…デフリンピック東京大会の柔道女子52キロ級「銅」岸野文音選手、メダルは「体が痛くなる重さ」

「羽が生えたかのように落ち着いて試合に臨めた」…デフリンピック東京大会の柔道女子52キロ級「銅」岸野文音選手、メダルは「体が痛くなる重さ」

2026/01/14 17:50

 昨秋に日本で初めて開催された聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」の柔道女子52キロ級で銅メダルを獲得した和歌山県紀の川市の岸野文音選手(23)が13日、県庁の宮崎知事を訪ねた。岸野選手は「緊張するのかなと思ったけど、当日は羽が生えたかのように、落ち着いて試合に臨むことができた」と大会を笑顔で振り返った。(豆塚円香)

女子52キロ級で銅メダルを獲得した岸野選手(昨年11月)

女子52キロ級で銅メダルを獲得した岸野選手(昨年11月)


 大会は昨年11月15日に開幕し、26日まで開催。岸野選手は柔道女子52キロ級準決勝で韓国選手に敗れたが、3位決定戦で底力を発揮。アイルランド選手を破り、今大会の日本勢第1号となるメダル獲得で選手団を勢いづける活躍ぶりだった。

 生まれつき難聴と知的障害があり、競技との出会いは小学2年の頃だった。自宅が空き巣狙いに侵入されたことをきっかけに「泥棒を捕まえたい」と思い、父の勧めで始めた。「じっとすることが苦手」といい、体を激しく動かす柔道を楽しく感じて競技に打ち込むようになった。

 これまで「ID(知的障がい者)柔道」の大会を主戦場とし、競技の普及活動にも力を注いできた。デフリンピック東京大会をきっかけにデフ柔道に本格的に取り組むようになった。ID柔道では禁止の絞め技や関節技があり、怖さもあったというが、「一生に一度のチャンス。やってみたい」と決意して臨んだ大舞台だった。

宮崎知事(右から3人目)に銅メダル獲得を報告した岸野選手(右から2人目)(和歌山県庁で)

宮崎知事(右から3人目)に銅メダル獲得を報告した岸野選手(右から2人目)(和歌山県庁で)


 この日の表敬訪問で宮崎知事から大会の様子を尋ねられると「会場には入場規制ができるくらいたくさんの方が足を運んでくださったと聞いた」と答えていた。報道各社の取材にも応じた岸野選手は「(メダルは)2、3分、首にかけただけで体が痛くなる。この重さは自分が今まで頑張ってきたことの重さの形だと思う」と語った。


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