公開日:2026年2月8日 17:04更新日:2026年2月8日 17:05

ライブを企画した斎藤桂さん=2025年12月、新潟市
耳が聞こえる人も聞こえない人も同じようにお笑いを楽しんでもらおうと、新潟市で2025年12月、「目で楽しむお笑いライブ」が開かれた。無料招待された聴覚障害のある約30人を含む300人ほどが観賞した。「ロッチ」など人気芸人7組が出演。視覚に訴える工夫が凝らされた演出に、会場は笑いに包まれた。(共同通信=近藤優士)
全観客に耳栓が配られた。「聞こえない世界を体験し、障害理解につながれば」との狙いだ。人工知能(AI)でスクリーンに字幕を自動表示。トリオ「ビックスモールン」は、身近な物を体で表現する「ボディーアート」を披露した。ピン芸人「こたけ正義感」のフリップ芸では、ひときわ大きな拍手が湧いた。聴覚障害があり、初めてお笑いライブを見に来たという新潟市の伊藤瞭汰さん(30)は「字幕のおかげで分かりやすかった。生で見る方が迫力があり、面白かった」と笑顔を見せた。
仕掛けたのは、一般社団法人バリアフリーライブプロジェクトの斎藤桂代表。地元で農家としてコメを育てる傍ら、さまざまなイベントを手がける。2024年には視覚障害がある人向けに「耳で楽しむ漫才ライブ」を初めて開催した。
斎藤さんは「お笑いの力を信じている」と話す。大学を卒業後、大手芸能事務所のマネジャーとして芸人たちの姿を間近で見てきた。「障害があってもお笑いを楽しむことを諦めてほしくない」と企画した。
ライブを通して課題も感じたという。見えない人は、ラジオなどでお笑いに触れる機会が多いものの、聞こえない人で日常的にお笑いを見る人は多くないといい「集客に苦戦した」。自らも手話を学び、聴覚障害のある人と交流し、ライブをアピールしている。
「自分しかやっていない取り組み。続けることに意味がある」。今後も見えない人向け、聞こえない人向けのお笑いライブを交互に企画する計画だ。(共同通信)
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