レシーブに飛び込む梅本綾也華選手(撮影:越智貴雄)

「聞こえる人にも勝ちたい」――デフバレー東京金主将・梅本綾也華 次なる挑戦は健聴者大会

2026/05/25 パラコラム

レシーブに飛び込む梅本綾也華選手(撮影:越智貴雄)

レシーブに飛び込む梅本綾也華選手(撮影:越智貴雄)

 

昨年、東京で開催された聴覚障害者スポーツの祭典「東京デフリンピック」で、日本女子バレーボール代表を2大会ぶりの金メダルへ導いた梅本綾也華主将。2021年の前回ブラジル大会では、チーム自体が新型コロナウイルスの影響による棄権という悔しさを経験しながらも、東京の舞台で悲願の頂点に立った。

試合後のインタビューで、聞こえないことで自信をなくしてしまう子供たちに接した経験を念頭に、「聞こえなくてもできるんだ」とまっすぐな言葉で思いを語り、多くの人の心を動かした梅本主将。あの日から半年――。デフリンピック後に感じた変化、バレーボールを続ける理由、そして競技を通じて伝えたい思いについて聞いた。

 

梅本綾也華選手 一問一答

──金メダルから半年が経ちました。今、どんな変化を感じていますか。

デフリンピックで金メダルを取ってから、取材や講演会、イベントなどで忙しい日々を過ごしてきました。特に講演会では、デフリンピックを知っている人が多くて、デフバレーボールに興味を持ってくれていたことがすごく嬉しかったです。

 

──「聞こえなくてもできるんだ」と話していました。その思いは今、どのように広がっていますか。

デフバレーボール日本代表を目指したいという子供たちや、「聞こえなくても挑戦できるんだ」と言ってくれる人が増えました。聞こえないことで自信をなくしてしまう子供たちから相談を受けることもあったので、自分たちの活躍で少しでもいい影響を与えられていたら嬉しいです。

 

──東京デフリンピックを通して、一番得たものは何だったと感じていますか。

人とのつながりです。ブラジル大会を一緒に戦ったメンバーもいれば、今回初めて一緒にプレーした仲間もいました。同じ目標に向かって戦って、喜怒哀楽を共有した時間は人生の宝物だと思っています。

 

──綾也華選手がバレーボールを始めたきっかけを教えてください。

両親がデフバレーの日本代表で、小さい頃からデフリンピックの映像を見て育ちました。自分も両親のように世界と戦って優勝したいという思いがあって、小学1年生からバレーボールを始めました。スパイクで初めて点数を取った時はすごく嬉しかったです。


金メダルを手に笑顔を見せる梅本綾也華選手(右)と双子の妹・沙也華選手(撮影:越智貴雄)

 

──双子の妹・沙也華(さやか)選手も日本代表として一緒にプレーしていますが、姉妹だからこそ感じる特別な感覚はありますか。

普段は普通の姉妹ですが、バレーになるとライバルで、沙也華に負けたくないという気持ちもあります。でも、私が落ち込んでいる時には慰めてくれる心強い存在です。 他のメンバーももちろんそうなんですけれど、特に沙也華はコートに立ったら負けず嫌い、それが本当にかっこいい、すごく頼りになる存在です。

 

──聞こえない中でプレーする難しさと、逆に面白さを感じる部分は?

デフバレーは聞こえない選手同士でプレーするので、ぶつからないように事前にコミュニケーションを取る難しさがあります。でも、声がなくてもアイコンタクトや手話、サインでつながっていて、例えばチャンスボールが返ってきた時に、すぐにセッターと目を合わせてサインを出して攻める、攻撃をするっていう、相手のリズムを崩すという作戦の一つがあるので、それがデフバレーボールの面白さかなと思っています。

 

──デフリンピック後には、大阪を拠点とするチーム「tortoise(トータス)」のキャプテンにも就任されました。今はどんな思いでチームを引っ張っていますか。

トータスは、誰でも楽しくバレーボールができるチームです。「入りたい」「体験してみたい」と言ってもらえることも増えていて、キャプテンとしてしっかり引っ張っていきたいと思っています。今後は(耳が聞こえる)健聴者チームとの練習試合も増やして、レベルアップにつなげていきたいです。

 

──これからの夢や目標について教えてください。

聞こえない子供たちに、「デフバレー日本代表になりたい」と思ってもらえる存在になりたいです。そのためにも、聞こえる人たちの大会にも積極的に参加して、強いチームと戦いながら、自分たちのレベルを上げていきたいと思っています。聞こえる人たちの大会に出て、レベルの強いチームと試合をして、そこで“勝ちたい”。

 

記事のポイント! 

東京デフリンピックで日本女子デフバレー代表を金メダルへ導いた梅本綾也華選手へのインタビューです。金メダル後の反響や、聞こえない子どもたちへの思い、デフバレーならではのアイコンタクトや手話・サインによる連携の魅力が語られています。さらに、聞こえる人たちの大会にも挑戦し、より強いチームと戦いながら競技の可能性を広げていこうとする姿勢が印象的な記事です。

関連ページ  

聞こえが気になる方は、以下のページも参考にしてください。

今の聞こえの状態を簡単に確認したい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときのセルフチェック

難聴の原因や種類を整理したい方へ
▶ 難聴とは?(原因・症状・種類)

まず何をすればよいか知りたい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときの対処法

補聴器の基本を知りたい方へ
▶ 補聴器の種類と選び方

 

気になる症状がある場合は  

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://www.kanpara.com/para/41275/

ブログに戻る

コメントを残す