2025年、デフリンピックを『手話』で応援しよう!日本手話と国際手話に違いも…【デフスポふくしま③】

2025年、デフリンピックを『手話』で応援しよう!日本手話と国際手話に違いも…【デフスポふくしま③】

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テレビユー福島
2024年12月26日(木) 06:00
末永万智

2025年、日本で開催されるデフリンピック。このうち「デフサッカー」は、福島県のJヴィレッジで行われます。デフスポーツの魅力をお伝えする「デフスポふくしま」。3回目は「手話でデフアスリートと交流」です。


応援の手話を学ぼう


末永万智アナウンサー「デフリンピックでアスリートに応援の気持ちを伝えたい!ということで、きょうは手話を学んできます!」

訪れたのは、県聴覚障害者協会。2025年のデフリンピック日本開催を前に、福島県内各地をまわって、デフリンピックに関する講演や手話の出前授業に力を入れています。

教えていただいたのは、協会職員の吉田愛(めぐみ)さん。手話通訳士の高橋富士子さんに入っていただきながら、学びます。

協会職員の吉田愛(めぐみ)さん

デフリンピックの応援で使える手話を教えていただきます。


「がんばれ!」表情も大切


両肘を張ってグーを作り下に2回下げます。手話は表情も大切。がんばれ!という気持ちを表情に込めることで、より意味が伝わりやすくなります。

「がんばれ!」両肘を張ってグーを作り下に2回下げます

続いては「応援しています」

末永アナ「応援旗を降る感じ。これけっこうわかりやすいですね」

日本手話「応援しています」

デフリンピックでは、世界中から選手がやってきます。外国の選手とコミュニケーションをするときに使われるのが「国際手話」。今回は吉田さんに、「日本手話」と国際手話の違いも教えてもらいました。


たとえば「おめでとう」は…


日本手話がクラッカーが飛び出すような動きなのに対し、国際手話は、顔の横で手を握るようにします。

「おめでとう」日本手話がクラッカーが飛び出すような動きなのに対し、国際手話は、顔の横で手を握るようにします。

「すごい!」と伝えるときも、日本手話が耳あたりから片手を前に出すのに対し、国際手話は、英語の「wow」を表現するように両手を胸の前で2回振り降ろします。

「すごい!」と伝えるときも、日本手話が耳あたりから片手を前に出すのに対し、国際手話は、英語の「wow」を表現するように両手を胸の前で2回振り降ろします。

手話を完璧に習得するのは難しくても、身ぶりや表情を駆使すれば、気持ちを伝えられることも学びました。


末永アナ「私はほとんど手話やったことないんですけど、そういう人が学んでコミュニケーションをとろうとすることって、聞こえにくい・聞こえない方ってどう思うものなんですか?」
吉田愛さん「非常にうれしいです。自分の言語が手話なので、それを理解してもらえるのは非常にうれしい。話したいという気持ちが伝わるのがうれしい」

ほかにも、国際手話の「がんばれ」は、こぶしを下から突き上げます。「サポーター」という意味を表していて、「あなたのサポーターです」=「がんばってください」という意味を伝えられるんだそうです。

国際手話の「がんばれ」は、こぶしを下から突き上げます。
国際手話の「がんばれ」

手の動きだけではなく「表情」がとても大切で、海外の選手でも、身振り手振りと表情だけで伝わることも多いと教えてもらいました。


目指せデフリンピック 高校生デフアスリートたち


デフリンピックに向けて、未来のデフアスリートも希望を持っています。将
来デフリンピックに出場したい、という強い思いで活動する高校生を取材しました。

訪れたのは、郡山市にある県立聴覚支援学校。幼稚部から高等部まで、44人が学んでいます。授業は、手話と声を織り交ぜながら行います。先生たちも、この学校へ赴任が決まってから手話を学ぶ人が多いといいます。

郡山市にある県立聴覚支援学校の生徒たち

そんな聴覚支援学校で力を入れている部活が、陸上部です。校内にはメダルやトロフィーがずらり。なんとこの陸上部、今年10月に行われた全国聾学校陸上競技大会で、男女ともに400メートルリレーで優勝。それ以外にも、走り幅跳びで優勝。100メートルや砲丸投げで2位や3位に入賞した選手がいる強豪校なんです。

この日も、授業が終わってからウォーミングアップをして走り込み。耳が聞こえない・聞こえにくいからこそ、練習では工夫している点があるといいます。

授業が終わってからウォーミングアップをして走り込み

旗や指文字、練習に工夫

陸上部・高橋功監督「手話・指文字はもちろん、視覚的にも分かりやすいように道具を使ったり、旗を使ったり、工夫しています」

例えば、スタートの合図に使うピストルは、選手たちの目で見える位置で鳴らします。そのほかにも、タイムを読み上げるときは指文字を使って、視覚でも認識できるよう工夫しています。

タイムを読み上げるときは指文字を使って、視覚でも認識できるよう工夫

日が沈むのが早いこの時期、暗くなってからは屋内で器具を使ったトレーニング。天候に関係なくトレーニングができるようになったことで、選手たちの筋力も大きく変わり、良い成績につながっているといいます。また、強さの秘訣はモチベーションにもありました。

陸上部・高橋功監督「やはりデフリンピックが日本で開催されるというのは、子どもたちにとっても良い刺激になって、それで意識が高まった」

高等部1年・佐藤巳月(しづき)さん「デフリンピックに参加する選手を見て、自分もこういう選手になれたらいいなと。(選手たちを)見て頑張りたいと思います」

佐藤巳月さん
佐藤巳月さん

キャプテンの守康介さんは、東京デフリンピック出場を目指し、予選にも参加する予定だといいます。

高等部2年・守康介さん「私もデフリンピックに出て、世界中の強い選手たちと戦ってみたい。聴覚障害を持っても、みんな必死に頑張っている姿を見てもらいたい」

守康介さん
守康介さん

部活が何より大好きで、仲間と切磋琢磨しながら練習する時間がとても楽しいという陸上部のメンバー。私も手話で、応援の気持ちを伝えました!

末永アナ「これからも頑張ってください。応援しています」
生徒たち「ありがとうございます」

デフスポーツの未来を背負う高校生、今後の活躍が楽しみです。選手たちは、25年5月と9月にある大きな大会に向けて、週末も練習に励んでいるそうです。

そして、デフリンピック開催300日前イベントが、25年2月1日、須賀川市の円谷幸吉メモリアルアリーナで開催されます。プロバスケB2の福島ファイヤーボンズの試合会場で「デフバスケ」の試合などが行われる予定です。デフリンピック開催に向けた機運が高まってきています。

デフリンピック開催300日前イベントのバナー


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