公開日時 2026/08/03 04:46
リジェネロン・ジャパンは7月29日、両アレル性OTOF遺伝子変異による難聴の治療を目的とした遺伝子治療製品・DB-OTO(開発コード、国際一般名:lunsotogene parvec)について、日本で承認申請したと発表した。同製品は3月に厚労省から希少疾病用再生医療等製品に指定されており、優先審査される。なお、米FDAは4月に、OTOF遺伝子変異による難聴に対する初めてかつ唯一の治療法として同製品を承認している。
OTOF遺伝子変異による難聴は、極めて稀な疾患で、耳の構造には異常がないものの、OTOF遺伝子の変異により、内耳の感覚細胞と聴神経の間の情報伝達に不可欠なオトフェリンタンパク質が機能しなくなる。この難聴はこれまで永続的なものと考えられており、患者は人工内耳などの医療用補装具を生涯使用するしかなかった。しかし、これらの補装具は音を増幅して難聴を改善することはできても、すべての音域を完全に回復させることはできないという課題があった。
DB-OTOは、OTOF遺伝子変異による重篤な先天性難聴患者に、持続的かつ生理的な聴力をもたらすことを目的として開発された、in vivoアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター遺伝子治療製品。
今回の申請は、OTOF遺伝子変異による難聴の小児および青年患者を対象とした国際共同ピボタル試験(CHORD試験)の結果に基づく。同試験ではDB-OTOの単回投与を受けて最長48週間追跡された患者の42%が正常聴力を達成した。手術およびDB-OTOの投与はいずれも良好な忍容性を示し、主な副作用として中耳炎、嘔吐、吐き気、めまい、処置部位疼痛、歩行障害、眼振が報告された。
記事のポイント!
リジェネロン・ジャパンが承認申請した「DB-OTO」は、OTOF遺伝子の変異によって内耳の感覚細胞から聴神経へ音の情報を伝えられない重篤な先天性難聴に対し、正常な遺伝子を届けることで持続的かつ生理的な聴力の獲得を目指す治療製品であり、国際共同試験では単回投与後に最長48週間追跡された患者の42%が正常聴力を達成するなど、これまで人工内耳などを生涯使用することが中心だった患者に新たな治療の可能性を示しています。
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