年齢、性別、欧州地域における加齢性難聴と補聴器使用に関する教育格差

年齢、性別、欧州地域における加齢性難聴と補聴器使用に関する教育格差

ドナタ・ストンクテ、理学修士、 ヤナ・ヴィアブーム博士
老年学ジャーナル:シリーズ B、gbae202、https://doi.org/10.1093/geronb/gbae202
公開日: 2025年1月29日 

概要

目的
ヨーロッパでは成人の 5 人に 1 人が難聴に悩まされており、認知症などの健康状態の悪化につながります。私たちの目的は、ヨーロッパにおける聴覚の健康に関する教育格差と、年齢、性別、地域によってこれらの格差がどのように変化するかを調査することです。

方法
50歳以上のヨーロッパ人の代表サンプルである欧州健康・高齢化・退職に関する統一調査(SHARE)の2004~2020年のデータを活用し、対象者における1)年齢標準化されたHLおよび補聴器(HA)使用の有病率、2)年齢、性別、欧州地域にわたる相対的不平等指数(RII)を使用した教育格差を分析します。

結果
自己申告による HL の有病率は年齢とともに増加し、男性で高く、教育水準の低い人の方が一貫して高い。50 ~ 64 歳の場合、特に南ヨーロッパと東ヨーロッパでは、教育水準の低い女性は教育水準の高い女性に比べて HL のリスクが 3 倍以上になる。こうした不平等は女性の年齢が上がるにつれて減少する。北ヨーロッパは HA のニーズを満たす先駆者である。南ヨーロッパと東ヨーロッパは遅れており、HA の対象となる人の 10 人中 2 人未満が HA を利用している。

議論
年齢、性別、ヨーロッパの地域によって聴覚の健康に関する教育水準にかなりのばらつきがあることから、健康格差を緩和する取り組みにおいて特定のサブグループをターゲットにすることが重要であることがわかります。特に懸念されるのは、HL の有病率と HA の使用率の地域差です。北欧の例は、HA へのアクセスを向上させることで、ヨーロッパで健康的な高齢化を改善できる可能性がまだ残されていることを示唆しています。


リンク先THE JOURNAL OF GERONTOLOGYというサイトの記事になります。(原文:英語)
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