知的障害者の聴覚スクリーニング後の臨床診断、実施率は37.5%

知的障害者の聴覚スクリーニング後の臨床診断、実施率は37.5%

2026年1月19日

知的障害者を対象とした聴覚スクリーニング後の外部医療機関への紹介において、実際に診断を受けた割合は37.5%にとどまることが、ドイツの多施設コホート研究「HörGeist試験」で明らかになった。知的障害者は診断されていない、または不適切に治療された聴覚障害のリスクが高いとされるが、スクリーニング後の診断継続率の低さが課題として浮き彫りになった。研究成果は、Journal of Intellectual Disability Research誌2026年1月16日号に発表された。


生活環境での聴覚スクリーニングプログラムの有効性を検証

HörGeist試験は、知的障害を持つ児童、青少年、成人を対象に、生活環境(保育園、学校、職場、自宅)での反復聴覚スクリーニング、診断、介入、モニタリングからなるアウトリーチプログラムの有効性、実行可能性、費用を評価する多施設コホート研究である。2024年にドイツ臨床試験登録(DRKS-ID: DRKS00024804)に登録された。研究では、アウトリーチコホートと臨床環境での招待制プログラムによる対照コホート、標準治療との比較が計画された。アウトリーチコホートには1,053例が参加し、全例が聴覚スクリーニング検査で不合格となった後、現場での完全な聴力測定評価を受けた。現場でのスクリーニングや診断が実施困難な場合は、外部医療機関への紹介が提供された。


外部診断への紹介率62.5%が未受診、年齢とともに受診率低下

アウトリーチコホート1,053例のうち262例(24.9%)が外部診断への紹介を受けた。このうち19例が研究から脱落し、残る243例が受けた248件の紹介のうち、93件(37.5%)が受診され、155件(62.5%)が未受診であった。未受診の主な理由は「予約を取る試みなし」が32.9%、「介護者による拒否」が23.2%、「参加者による拒否」が18.1%であった。約4%は外部診断の予約を取得できなかった。紹介受診率は年齢とともに低下し、幼児では50.8%、学齢期参加者では41.3%、成人では24.7%であった。主に外部評価を受けなかった48例のサブサンプルに対する電話追跡により、8例(16.7%)でさらなる臨床診断が実施された。


生活環境でのプログラム実施には教育と医療連携が不可欠

研究者らは、知的障害者の聴覚状況改善を達成するためには、生活環境でのスクリーニング、診断、介入プログラムが実行可能かつ有益であると結論づけた。しかし、このようなプログラム参加者の聴覚状態の信頼性のある評価には、その必要性に関する参加者、介護者、医療従事者への教育と、外来および臨床環境での医療提供者との密接な協力関係の促進が必要であると指摘している。対照コホートの141例全員がインフォームドコンセントを提供せず臨床環境でのプログラムに参加しなかったため、結果はアウトリーチコホート内での成果と実行可能性のみに関するものとなった。今後は、知的障害者の聴覚ケアにおける包括的なアプローチの確立が求められる。


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