イヤホンを着けた人物の横顔 提供:Jeffrey Hazelwood/Anna Gragert/CNET/Getty Images

そのイヤホン習慣、危険かも?専門家に聞く、難聴の兆候と正しい使い方

Anna Gragert (CNET News) 翻訳校正: 編集部2026年04月27日 16時10分

耳が突然不調に

 筆者は左耳の一時的な難聴を経験して以来、聴力を守ることを強く意識するようになった。数週間にわたって聴力が落ちた原因は耳管機能不全、つまり中耳と鼻の奥をつなぐ管が正常に機能しなくなる状態だったが、それをきっかけに、ほかにも耳に悪影響を及ぼすものがあるのではないかと考えるようになった。 

イヤホンを着けた人物の横顔 提供:Jeffrey Hazelwood/Anna Gragert/CNET/Getty Images

イヤホンを着けた人物の横顔 提供:Jeffrey Hazelwood/Anna Gragert/CNET/Getty Images


 耳の健康を守る方法を調べる中で、身近なテクノロジー製品であるイヤホンが、自分の不調に関係していた可能性があることを知った。そこで詳しく知るため、聴覚や平衡感覚、耳の異常を診断し、治療する医療専門職であるオーディオロジストに話を聞いた。本稿では、その内容を紹介する。

 

イヤホンによる耳と聴力へのリスク

 認定オーディオロジストであり、ニューヨーク州の補聴器販売資格も持つRuth Reisman氏によると、イヤホンにはいくつかのリスクがある。耳の中に熱や湿気がこもり、耳の感染症リスクを高める可能性があるほか、繰り返し使うことで耳あかを耳の奥へ押し込み、蓄積や詰まりを招くこともある。さらに、イヤホンのサイズが合っていなかったり、長時間装着したりすると、外耳道に刺激や痛みを生じることがある。

 Reisman氏は、「イヤホンは外耳道の中に直接入るため、複数のリスクを高める可能性がある。最大の懸念は、音量が大きすぎたり、聴く時間が長すぎたりすることで起きる騒音性難聴だ」と話す。「オーディオロジストとして15年間働く中で、私はこれらすべての問題を実際に見てきた」

 HearUSAのオーディオロジストであるDan Troast氏は、特に大音量で長時間コンテンツを聴くと、内耳にある繊細な有毛細胞が恒久的なダメージを受ける可能性があると説明する。イヤホンの使用と大音量が重なると、次のような問題につながり得る。

  • 騒音性難聴
  • 耳鳴り
  • 時間の経過とともに生じる音への過敏

 イヤホンの誤った使い方も珍しくない。ノイズキャンセリング機能がない場合、周囲の雑音をかき消そうとして何度も音量を上げてしまい、気付かないうちに危険な音量域に入ることがある。また、音量が中程度でも、毎日何時間も聴き続ければ問題になる可能性がある。

 Troast氏は、「聞き過ぎの初期症状には、視聴後に一時的に音がこもって聞こえることや、耳鳴りが生じることがある。どちらも聴覚系からの警告サインだ」と述べる。耳鳴りが一時的に起きるだけでも、最終的には慢性的な耳鳴りのリスクを高める可能性があるという。

 

イヤホンと放射線

 耳の健康に関する情報を探す中で、ワイヤレスのBluetoothイヤホンが放射線によって害を及ぼすのではないかと論じる記事もいくつか見つかった。そこで筆者は、この点が本当なのかをReisman氏に尋ねた。

 同氏は、「現在の科学的根拠では、Bluetoothイヤホンから出るエネルギーが害を及ぼすことは示されていない。こうした機器が出す放射線は携帯電話よりはるかに少なく、定められた安全基準も十分下回っている。オーディオロジーの観点では、放射線よりも音への曝露の方がはるかに大きなリスクだ」と話した。

AirPods Pro 2を着けた筆者 お気に入りのAirPods Pro 2を着けた筆者

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提供:Anna Gragert/CNET


「60/60ルール」を守る

 Reisman氏とTroast氏はいずれも、イヤホンを使う人に「60/60ルール」を勧めている。これは、最大音量の60%を超えない設定で、1回60分以内にとどめるという考え方だ。

 Reisman氏は、「音量が安全な範囲に保たれ、耳を休ませる時間を確保できるなら、毎日使っても問題ない。私は通常、1時間使うごとに15〜20分の休憩を取るよう患者に伝えている」と助言する。

 まだ設定していないなら、Troast氏は、機器に音量曝露を自動で監視する聴覚保護機能があるか確認するよう勧めている。例えば「iPhone」や「Apple Watch」、「iPad」では、7日間の音響曝露の上限に達した際に音量を下げるよう知らせるヘッドホン通知を設定できる。例としては、7日間で40時間、80デシベルに達した場合などだ。また、「大きな音量を低減」機能を有効にすれば、設定したデシベル値を超えた時点でヘッドホンの音量を自動で下げられる。

 

記事のポイント! 

イヤホンは日常的に使われる便利な機器ですが、使い方によっては耳にさまざまな負担を与える可能性があります。特に注意すべきなのは、大音量や長時間の使用による「騒音性難聴」で、耳鳴りや音のこもりといった初期症状は見逃してはいけないサインです。専門家は、音量を最大の60%以下、使用は160分以内に抑える「60/60ルール」を推奨し、定期的に耳を休ませることの重要性を強調しています。また、ノイズキャンセリング機能の活用や音量制限設定などにより、無意識の音量上昇を防ぐことも有効です。日々のちょっとした習慣の見直しが、将来の聴力を守ることにつながります。

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原文掲載元はこちら 

 https://japan.cnet.com/article/35246946/

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