[2026年3月7日8時0分]

あなたにも起こる加齢性難聴<3>
高齢になるにしたがって聞こえにくくなってくる「加齢性難聴」。その音の聞こえに大きく働いているのが、耳の内耳にある有毛細胞であることは前回紹介しました。
だから、その有毛細胞が消耗すると難聴が起こります。有毛細胞はより高音に対応する方が、実は消耗しやすいのです。つまり、難聴は高音から聞こえが悪くなり、徐々に低い音の方にも進んでくるといわれています。高い音から聞こえなくなることが起こると、高い音を含んでいる言葉の聞き間違いが増えてきます。サ行の「サ・シ・ス」は高い音なので、それを含んでいる音は聞き間違いをするようになるのです。
初めのころは、連想ゲームのように言葉を連想するのですが、難聴が少しでも進むと次第に違う言葉ばかりを当てはめてしまい意味が通じなくなります。聞き返すと良いのですが、気が引けるという方もいるので、笑って済ませてしまう。そうすると、どんどん話がつながらなくなってしまいます。難聴者にはよく見られるケースです。
まずは、言葉の判別が難しくなるのは、主に内耳の問題によるものです。次の段階として、若年層の難聴とは異なり、加齢性難聴は神経系まで影響が及ぶため、よりいっそう言葉の聞き取りが悪化します。さらに、聞き取った言葉を脳で処理する速度が落ちることで、早口の相手だと極端に理解が難しくなってしまうのです。
言葉の聞き取りの認識が悪くなり、注意力も落ちてくると、何と「認知症」との関係もでてきます。認知機能が少しずつ落ちてくるのです。認知症を進めることになるので、「単なる聞き間違い」と済ますことなく、加齢性難聴にしっかり対応することが欠かせません。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)
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