映画のワンシーン

考え方も境遇も異なる、20代ろう者3人のリアルな胸の内を。彼らを取り巻く環境の現状について

水上賢治
映画ライター
4/19(日) 11:01 

映画のワンシーン

「私たちの話し方」より

 

 近年のろう者の世界を舞台にした映画の代表作として挙げられる、2021年の「Coda コーダ あいのうた」と2024年の「ぼくが生きてる、ふたつの世界」。

 日本で大きな反響を得た両作品は、これまであまり語られることのなかったCODA(※Children of Deaf Adultsの略称。聴えない、もしくは聴こえにくい親の元で育った聴者の子ども)に焦点を当て、CODAという言葉とその存在を広く世の中に伝えることになった。いわばろう者の間では認識されていたが、一般社会ではそこまで認識されていなかったことに目を向け、世の中に気づきを与える形となった。

 映画「私たちの話し方」もまた同じように、わたしたちに新たな気づきを与えてくれる。

 本作がメインで描くのは、ろう者の間にグラデーションがあることだ。

 いまの社会は、ろう者の存在を、どこか画一的なイメージに当てはめていないだろうか?

 ろう者にはたとえば初めから聴こえない人もいれば、途中から聴力を失った人もいる。少し想像すれば、ろう者といってもさまざまでひとくくりになどできないことはわかる。

 でも、そこまでなかなか考えが及ばない。どこかでひとつにまとめてみてしまうところがある。

 その中で、本作には、3歳で聴力を失い、人工内耳を装用し「聴こえる人」として普通に社会生活を送ろうとするソフィー、生まれながらのろう者で自身が手話話者であることに誇りをもつジーソン、手話と口話の両方を自在に使いこなす、人工内耳装用者のアランという20代の若者が登場。

 生活環境も違えば聴力も違う、ろう者としての自身の境遇に関しても異なる意見をもつ三人は時に励まし合い、時に苦悩を分かち合い、そして時に激しくぶつかり合ってしまう。

 そんな彼らの青春群像劇を通して、本作はろう者といっても一色ではない、「聞こえない」ことに対して、さまざまな意見をもった人物がいることに改めて気づかせてくれる。

 

記事のポイント! 

ろう者とひとくくりにできない、多様な背景や考え方があることを丁寧に伝えた記事です。人工内耳を使う人、手話を大切にする人、両方を使いこなす人など、それぞれの立場の違いが描かれており、「聞こえない」という状態の受け止め方が一様ではないことに気づかされます。あわせて、香港で進む教育現場の変化や、聴者とろう者の距離を縮める取り組みにも触れられており、聞こえをめぐる社会のあり方を考えるきっかけになる内容です。

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気になる症状がある場合は  

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/03c8e519c99587019f2b50766785ad92bae9f06c

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