Am J Audiol
2026年2月9日
突発性感音難聴患者において前庭性片頭痛(VM)の合併は比較的頻繁に認められるものの、聴力の重症度や治療後の回復に有意な影響を与えないことが明らかになった。20~71歳の特発性突発性感音難聴患者43例を対象とした研究で、VM合併例は23.3%に認められたが、非合併例と比較して治療反応に有意差は認められなかった(p=0.197)。研究成果は、American Journal of Audiology誌2026年2月5日号に発表された。
43例を対象とした前庭性片頭痛合併率の検討
本研究は、特発性突発性感音難聴患者における前庭性片頭痛の有病率と聴力回復への影響を評価することを目的として実施された。対象は20~71歳の特発性突発性感音難聴患者43例で、全例に聴覚学的評価を実施し、Bárány Society基準を用いて前庭性片頭痛の診断を行った。聴力回復の評価にはSiegel基準を使用し、前庭性片頭痛群と非合併群間で臨床的特徴と聴力転帰を比較検討した。突発性感音難聴は原因不明の耳科救急疾患であり、前庭性片頭痛は聴覚症状を伴う可能性のある神経疾患として知られている。
前庭性片頭痛合併例は23.3%、治療反応に差なし
研究結果では、43例中10例(23.3%)で前庭性片頭痛が診断され、14例(32.6%)で片頭痛が認められた。前庭性片頭痛群の平均年齢は52.5±14.0歳、非合併群は44.7±14.6歳であった。両群間において年齢、性別、併存疾患、治療前後の聴力閾値に有意差は認められなかった(p>0.05)。治療反応についても両群間で有意差は認められず(p=0.197)、前庭性片頭痛の合併が突発性感音難聴の聴力回復に影響を与えないことが示された。
より大規模な研究による関連性の解明が必要
本研究により、前庭性片頭痛は特発性突発性感音難聴患者において比較的高頻度に認められるものの、聴力の重症度や回復に有意な影響を与えないことが明らかとなった。この知見は、突発性感音難聴の治療方針決定において前庭性片頭痛の合併を過度に懸念する必要がないことを示唆している。しかし、研究者らは前庭性片頭痛と突発性感音難聴の関係をより明確にするため、より大規模なサンプルサイズでの追加研究が必要であると結論づけている。今後の研究により、両疾患の病態生理学的関連性についてさらなる知見が得られることが期待される。
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