Koichiro Wasano, Takashi Nakagawa, Kimitaka Kaga & Kaoru Ogawa
Communications Medicine volume 4, Article number: 166 (2024) Cite this article
要旨
背景
言語識別能力(SpD)は、聴力低下によって悪化しますが、純音聴力検査(PTA)とSpDの関係は加齢過程において十分に説明されておらず、理解も進んでいません。また、PTA閾値の左右差(L-R差)の重症度がSpDに過剰に影響を与えるかどうかも不明です。
方法
日本の幅広い年齢層(10~99歳)の患者を対象に、遡及的横断研究を行いました。各患者について、年齢、SpD、PTA閾値のデータを左右の耳ごとに収集しました。年齢と全体的なSpDの関連性、および耳ペアごとのPTA閾値差の重症度によるSpDを評価しました。L-R PTA閾値の非対称性は、<10dBから≥40dBの4つの均等なカテゴリに分類されました。
結果
対象となった2760名の参加者のうち、5508耳のデータが分析されました。全体的なSpDは年齢とともに徐々に低下し、最年長グループのSpDスコアは最年少グループと比較して有意に悪化していました(Kruskal-Wallis検定およびDunn’s検定; p < 0.0001)。同じ重症度の聴力障害を持つ耳の中で、聴力の悪い耳と良い耳を比較した結果、中等度または重度の聴力障害を持つ耳ではSpDに有意な差が見られました(p < 0.0001)。事後分析では、聴力差が20dB以上の耳間で、悪い耳と良い耳の間に有意なSpDの差があることが確認されました。
結論
SpDは年齢および左右非対称の聴力に大きく影響されるため、個人の聴力レベル、年齢、および左右の聴力差に応じて、適切な聴覚学的介入を積極的に検討すべきです。
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